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世田谷美術館で「橋本平八と北園克衛展」-彫刻家・詩人兄弟の交流紹介

写真=橋本平八作「裸形少年像」

写真=橋本平八作「裸形少年像」

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 東京都世田谷区砧の世田谷美術館(世田谷区砧公園、TEL 03-3415-6011)で現在、「橋本平八と北園克衛展」が開かれている。

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 実の兄弟である橋本平八(1897-1935)と北園克衛(本名=:橋本健吉、1902-1978)。大正期から昭和前期に再興日本美術院彫刻部に属して彫刻家として活躍し、38歳の若さで早世した兄の橋本平八。一方、弟の北園克衛は、日本の前衛詩を代表する詩人の一人であり、書籍装幀装丁やイラスト、詩誌の編集などで国際的にも知られた存在。

 「自然を畏敬する彫刻家の兄、2000年ごろ頃からデザインの領域でグラフィックデザイナーの間で注目されてきた詩人の弟。ちょっと変わったこの兄弟の作品を東京でこれだけまとめてまった数で展示するのは初めて。」と語るのは、同館主任学芸員の野田尚稔さん。兄の平八の作品展示は25年ほど程前に開催されたきりになっていたのを、三重県立美術館(三重県津市)と共同で開催すべく3年前から準備を進めてきたという。

「伝統的性格を帯びた彫刻家の兄と、先鋭的な詩作やデザインの弟は、対照的に見えるが、2人の芸術世界は互いの交流を通じて形成されたと考えられる。当展では、2人の長年の作品のほか手紙や日記などの兄弟の交流を示すあらわす品も多数展示しており、これらを通じて2人がどのように互いに影響を与え合ったかを感じて欲しい」と話す。

 見どころは、台座も含め一本の木から彫り上げた「少女立像」「成女身」「裸形少年像」の人物像三部作。 「自然への信仰心が強い平八は、手を加えて木の芯をくり抜き木のひび割れを防ぐ手法をあえてとらず、自然のままにしていると思われる。背面にあるひび一つにもそうした平八の思想が表れている」、と野田さん。 一方、弟の克衛については、「今の時代に僕たちが見てかっこいいと思えるデザインを生み出している。日本よりアメリカやヨーロッパで著名だった彼の感性に触れて欲しい」と話す。

 なお、公開期間最終週にあたる12月4日~12日は、サウンド・インスタレーションとして、展示室出口から続く1階の渡り廊下を音響空間として演出する。

 開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。月曜休館。観覧料は、一般=1,000円、大高生・65歳以上=800円、中小生=500円。12月12日まで。

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「橋本平八と北園克衛展」は12月12日まで。 (月曜定休。10時~18時。入館は閉館30分前まで)

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