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64年ぶりに復活、多摩川「宇奈根の渡し」-地元小学生25人の夢プロジェクト

渡し舟「夢叶丸」の進水式で「さおさし」など練習中の様子(8月)

渡し舟「夢叶丸」の進水式で「さおさし」など練習中の様子(8月)

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 世田谷区立喜多見児童館(世田谷区喜多見2、TEL 03-3417-9151)が9月23日、多摩川の土手で「宇奈根の渡し 一日だけの大復活~江戸時代へタイムスリップ」を開催する。

同館の夢プロジェクトノートなど

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 同イベントは世田谷区が2005年度より推進する「世田谷区子ども夢プロジェクト」の一環。区内25の児童館を拠点に、子どもたちが「やってみたいこと」「挑戦してみたいこと」などを地域を舞台に展開するもので、各年度担当館8館が実施する。

 今年度に同プロジェクト担当館となった喜多見児童館では、昨年秋から「たまがわ138企画」を展開中で、山梨県笠取山を源流とし大田区羽田の0メートル地点まで138キロメートルの多摩川を多世代交流の拠点としてさまざまなイベントを開催している。この取り組みを推進する中で、同館を利用する子どもたちから「多摩川を舟で渡って対岸の川崎市高津区宇奈根の子どもたちと交流したい」という声が上がり、同プロジェクトのテーマに決まったという。

 「宇奈根の渡し」は1950(昭和25)年に廃船となったと言われている。行楽・商業の船着き場として栄えた「二子の渡し」に比べ、農作業など住民生活の交通手段として利用されていたことから、残された資料も少なく「子どもたちも渡し場の特定自体に苦心した」と同館館長の山田勝政さん。

 少ない資料に気落ちすることなく「夢」に向かい中心となって活動したのは地元の1年から5年までの小学生25人。4月26日に開いた第1回「渡し舟・宇奈根の歴史を聞く会」以来、これまでに20回以上の会合や調査、フィールドワークを重ねて来た。

 7月には「みんなの夢がかないますように」との願いを込めて渡し舟を「夢叶丸(ゆめまる)」と命名し、舟の製作を開始。当時の「宇奈根の渡し」を知る地域住民の協力を得て長さ約3メートルの舟を組み立て、鮮やかな水色と黄色を選び塗装した。

 当日、25人のスタッフは「江戸時代にタイムスリップ」を演出。保護者の母親らお手製の「船頭ファッション」に身を包んだ6人の5年生が「さおさし」を担い、他スタッフは「伝承あそびコーナー」「手作りコーナー」「ベーゴマ販売コーナー」「食べ物販売コーナー」などの店員としてイベントを盛り上げる。ほかに、地域の協力団体による「ミニ多摩川水族館」などのコーナーも。

 渡し舟は2艇、8回に分け全12便が出航する。世田谷区側の駒沢大学玉川キャンパス付近(宇奈根1)の土手を出発し、周辺を遊覧して戻るコース。対象は小学生。世田谷区在住の子ども向けに9月12日16時より、同館にて乗船券を配布する(24人以上の申し込みの場合は抽選)。当日券も24人分を用意する。

 開催時間は11時~15時。参加無料。荒天や川の状況が悪い場合は10月5日へ延期。問い合わせは同館まで。

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