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用賀の地域特産品店で長崎五島産・鯨肉加工品フェア-鯨串カツなど8種

長崎産鯨肉加工品

長崎産鯨肉加工品

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 世田谷・用賀商店街の地域特産品セレクトショップ「よーがや」(世田谷区用賀4)で現在、長崎県新上五島産の鯨肉加工品コーナーを設置し、販売している。

店内・長崎県新上五島町の鯨肉加工品展示コーナー

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 2012年11月に開店した同店は、同商店街振興組合が100%出資する「用賀まちづくり株式会社」(用賀4)が運営する。現在、福井県、和歌山県田辺市、山形県米沢市、岩手県陸前高田市など全国6自治体と提携し野菜、果物、海産物、加工品などを販売している。同商店街振興組合の小林弘忠理事長は同店について、「物産品の販売とPR活動を通じて、最終的には街と街、住民と住民が交流を図る『文化の交流・発信基地』を目指す」と話す。

 同店では毎週末、各地の「旬なおいしい商品」を販売する「うまいもの市」を開催しており、鯨肉加工品は10月4日・5日の同イベントのために取り寄せた。販売契約を結んでいる新上五島町商工会の仲介で、「鯨串カツ」(600円)、「鯨スティックカツ カレー味」「鯨カツ」(以上1,100円)、「竜田揚げ」(800円)、「鯨ベーコンスライス」(1,620円)、「鯨コロッケ」(360円)、「鯨なます」(700円)、「鯨赤肉盛皿(刺身用)」(1,100円)の8種を販売する。店内奥に「長崎県新上五島町コーナー」と掲げ、冷蔵棚の近くに料理素材や部位、栄養についてのパネルも置く。

 捕鯨については、オーストラリアが日本による南極海での調査捕鯨が国際捕鯨取締条約に違反するとして中止を求める訴訟を起こし、今年3月31日、国際司法裁判所(ICJ)が南極海での調査捕鯨を「科学的でない」と結論付けた上で、現行制度での調査捕鯨の中止を命じる判決を言い渡した。そうした経緯から日本の捕鯨政策は抜本的な見直しを迫られており、国内のECサイトでは同判決を受けて以来、鯨肉・イルカ肉の出品を禁止しているサイトもある状況。

 一方で、1960年代に年間20万トン以上あった日本のクジラの消費量は現在5000トンにも満たないともいわれ、国内沿岸部各所には少なからぬ鯨を祭る碑が残り「食文化」とする声も。同県新上五島町は、江戸時代に捕鯨によって栄えた歴史を持つことから、町内には「鯨賓館ミュージアム」が建てられており、古式捕鯨業時代の長崎県の鯨組や鯨の供養塔などのパネルや古式捕鯨時代に使用された包丁や銛(もり)などを展示している。

 「用賀まちづくり株式会社」の杉本浩一社長は、「特に国際的な動向を意識して企画したものではなく、それぞれのご当地の日常にある普段の風景を伝える趣旨で『珍しいもの、おいしいもの』として紹介している。お取り寄せ限定商品なので、この機会にぜひお試しいただければという思い」と販売の意図を明かす。同店の昆正太店長は「まだまだ勉強中で、スタッフ一同も知らない商品をお客さまから教えてもらっている地域密着型の店。用賀にお立ち寄りの際はぜひお越しいただければ」と来店を呼び掛ける。

 営業時間は11時~20時。

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