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「二子玉メレンゲハウス」閉店へ-職人の35年来の夢実現のため一区切り

今年の干支(羊)をモチーフとしたメレンゲアート

今年の干支(羊)をモチーフとしたメレンゲアート

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 二子玉川商店街にあるメレンゲ細工菓子・焼き菓子専門店「二子玉メレンゲHOUSE」(世田谷区玉川4、TEL 03-5716-4955)は3月末、同店職人の長年の夢であった「海外再留学」に伴いいったん閉店することになった。

ホワイトデー用のオリジナルメレンゲ(昨年)

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 2011年11月11日にオープンした同店。須田拓磨店長の叔父で、洋菓子店「フレイ延齢堂」(神奈川県藤沢市)のオーナーシェフの鈴木廣明さんが作るメレンゲ細工菓子約50種類を約2坪の店内で販売している。

 オーストリアの伝統菓子である同店のメレンゲ菓子。中でも、絞り袋と口金を道具に使って人形や動物の形に絞り出し、焼いた後に乾かすという技巧を駆使して作る「メレンゲアート」(600円~)は、鈴木さんが30年かけて細工技法を独学で再現したもの。この技法を受け継ぐ人は国内外でもいないといい、開店以来「食べてしまうのが惜しい芸術作品」として、メディアなどでも数多く取り上げられている。

 鈴木さんは昨年12月3日、創業35周年を機に「フレイ延齢堂」を閉店。3月初旬からは40年前に学んだオーストリアの地へ「凱旋(がいせん)」し、35年かけて自身が得たメレンゲアートの技術を現地の人々と共有することで、さらなる高みを目指す。

 もともと、鈴木さんの姉であり須田店長の母親である「墨アーティスト」の須田妍峯(けんぽう)さんが、鈴木シェフの作品菓子を東京から発信することを応援するために開いた同店。鈴木さんの渡欧を一つの区切りとして、3月末でいったん閉店することを決めた。

 同店は3月5日~15日、「二子玉川 東急フードショー」(玉川2)に出展する。「店舗で現在は販売していない商品や、ホワイトデー向けのオリジナル商品なども取りそろえ、豊富なラインアップでお待ちしている」と須田店長。希望者には、バレンタインデーやホワイトデーの季節に合わせた須田妍峯さんの書によるメッセージカードも進呈する。

 須田店長は「お店の経験の無い中で、なんとか3年半営業してこられたのはお客さまのおかげ。感謝でいっぱい」と話す。今後については、帰国後の鈴木さんの状況によって「新たなお菓子を通信販売したり、メレンゲアート教室を開催したりなども企画したい」とも。

 営業時間は11時~18時。水曜・木曜定休。営業は3月31日までの予定。

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