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二子玉川再開発事業がJHEP最高認証-地域参加型菜園など屋上緑化・水辺施設で

II-a街区ZONE4 水辺空間「めだかの池」イメージ図

II-a街区ZONE4 水辺空間「めだかの池」イメージ図

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 二子玉川東第二地区市街地再開発組合は5月8日、同事業が生物多様性保存への貢献度などを定量評価する「ハビタット評価認証(JHEP)」制度で国内最高ランクの認証を取得したと発表した。

II-a街区の施設地図

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 来年4月完了予定の二子玉川東エリア再開発第2期事業(II-a街区、玉川1丁目)は、施工面積約3.1ヘクタールで、民間が施工する再開発事業では都内最大級。30階建ての高層棟にオフィス、ホテル、低層棟にシネマコンプレックス、フィットネスクラブ、商業店舗が開業予定ですでに高層棟は地下工事が終了し地上工事20階まで進んでいる。

 同事業が最高ランク(AAA)を取得した「JHEP」制度とは、米国内務省で開発され同国内で普及している「Habitat Evaluation Procedure(HEP)」を応用し日本生態系協会(豊島区)が創設した環境評価手法。各地域の元から存在する野生生物の生息環境の保全・再生という観点から、「事業前」「事業後」の生物の多様性を定量的に比較、その増減差で評価し5段階でランク付けする。

 同調査では申請年の2013年を基準とし、過去30年間(1963年~)と将来の50年間(~2063年)の同所(多摩川、国分寺崖線、等々力渓谷など)に多く生息する指標種(シラカシ、クヌギ、カワラノギク、シジュウカラ、メジロ、ショウリョウバッタなど)の推移を同事業の植栽計画などに基づき比較したところ、生物多様性の保全が見込まれるだけでなく、その価値が大きく高まるという結果が出された。

 「地域環境の価値を創出する『エコミュージアム』」を景観のコンセプトに掲げている同事業。具体的には、同区画の中央を貫き二子玉川駅から二子玉川公園までを結ぶ歩行者専用通路「リボンストリート」沿いに商業店舗、スタジオ・ホールなどの時間消費型施設、噴水広場のほか低層棟上部には約6000平方メートルのルーフガーデンを設ける。

 「多摩川の河岸段丘や等々力渓谷をイメージした」というルーフガーデンは「花畑の丘」「階段広場」、地域参加型の食育庭園「菜園広場」、国分寺崖線を一望できる「デッキテラス」、多摩川の生態系を学べる水辺空間(ビオトープ)「めだかの池」や多摩川を一望する「青空デッキ」「原っぱ広場」などが整備される。

 4月24日に開催されたJHEPの認証授与式で、同組合の川邉義高理事長は「(二子玉川が)さらに魅力を増し、街全体の回遊性やアクセスの利便性が高まり、人々のにぎわいの創出に寄与することができるのでは」と期待を込めた。

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