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五島美術館の庭園展示作品にシジュウカラ-作品名は「シジュウガイライ」

作品の中のシジュウカラのヒナ(5月6日ごろ)

作品の中のシジュウカラのヒナ(5月6日ごろ)

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 五島美術館(世田谷区上野毛3、TEL 03-3703-0662)の庭園で現在開催中の「滝口和男展『陶』-五島美術館庭園の四季と共生が-」の作品内にシジュウカラが営巣し、来園者の間で「偶然の一致」が話題を呼んでいる。

餌をやるシジュウカラの親鳥

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 東急電鉄の創始者・五島慶太が「足腰の鍛錬を兼ねて散策を日課としていた」と伝えられる約5000坪の同庭園。中国や日本の古い石像、石塔、石仏群などが置かれる回遊式庭園で、武蔵野の雑木林を色濃く残し、季節ごとに多彩な風情を見せる。

 庭内各所に昨年6月22日より、京都市在住の作陶家・滝口和男さんが全16体の陶磁作品を展示している。作品はすべて鉄器の様な濃い灰色だが形はさまざま。抽象的な形態で、全て花瓶の口のような穴が開けられている。各作品の設置場所は滝口さんが実際に庭を巡って決めたといい、「陶土が変成した『かたち』をその時空世界に住まわせると、どのような生活を始めるのだろうか。一年間の四季を通して、その風景を眺めてみたい」とその意図を明かす。

 シジュウカラが営巣した作品は庭内北側の大日如来近くの木に掛けられたもの。作品名は「施施従外来(しじゅうがいらい)」で「広々ゆったりしていると外から来るものだ」という意味。「音も、意味も、ドンピタで驚き」と同館の加茂川芳仁さん。4月29日に来園者から「ピヨピヨ鳴き声が聞こえる」との通報で気付いた。15センチほどの幅の穴から内部をのぞくと、羽毛や小枝が敷き詰められているのが見える。同館員によると、6羽のヒナへ餌をやる親鳥の姿が最後に確認されたのは5月9日朝7時ごろで、ヒナはすでに巣立った可能性が高い。

 同館は現在展示入れ替え中で、5月17日からの「近代の日本画展」で再開。開館時間は10時~17時(入館受け付けは30分前まで)。月曜休館。入館料は、一般=1,000円、高・大学生=700円、中学生以下無料。庭園入園のみ=300円(中学生以下無料)。庭園での展示は6月22日まで。

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