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二子玉川で新アートフェス 「世界水準の文化発信地」目指し開幕

「夜景プロジェクト-マゼンタナイト-  Glow with City Project in TAF 提灯行列ランドスケープ」の様子

「夜景プロジェクト-マゼンタナイト-  Glow with City Project in TAF 提灯行列ランドスケープ」の様子

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 二子玉川を舞台に世界水準の文化情報発信を目指す新アートフェスティバル「TOKYO ART FLOW 00(トウキョウアートフロウ ゼロゼロ)」が7月29日、開幕した。

レセプションの様子(29日二子玉川公園)

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 同フェスは今回を「第0回」として、「Human's nature-人間の自然」をテーマに7月29日~31日の3日間開催。期間中、二子玉川駅周辺の商業施設と多摩川河川敷のエリアでさまざまなアートプログラムを展開する。実行委員会は、東急電鉄、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、玉川高島屋S・C、楽天の4社が発起企業となり、二子玉川地域に関わる企業、地域、大学、行政などが協力し構成する。

 初日となる29日、16時より「オープニングトーク&レセプション」を実施。オープニングトークではLang/Baumannさん(アーティスト)、建畠晢さん(TOKYO ART FLOW 00実行委員長/多摩美術大学学長)、中村政人さん(アーティスト/3331 Arts Chiyoda 統括ディレクター/東京藝術大学教授)、太田雅文さん(東急電鉄 都市創造本部 開発事業部 副事業部長)、松田朋春さん(アートプロデューサー、スパイラル・シニアプランナー)が登壇。「アート・東京・2020」をテーマに「東京の二子玉川」におけるアートフェスティバルの意義や同フェスの未来展望などを語り合った。

 昨年10月ごろから始動した同フェスについて、松田さんは「ゼロゼロの意味することは、ざっくり言えば、いい加減な意味ではなく『取りあえず』。これまで何となく『見えない壁』によって自由に使いこなせなかった公共空間を、世界水準のアートを通して使い倒して『見せる』という社会実験」と明かした。

 同フェス「旗振り役」の東急電鉄は「鉄道会社ではあるが基本はまちづくりの会社。再開発事業後、二子玉川には『住む』に加えて『働く』という機能が加わり、事業のパターンを見直す段階になった」と太田さん。「街の関係者がシビックプライドを持つきっかけとして、アートが位置付けられるのではと考えた」と話す。

 これまでさまざまなアートフェスの企画・運営を手掛けてきた建畠さんは、同フェスの開催期間が3日間という「短期集中型」であること、「都市型でありながら多摩川という自然も舞台に行われる」こと、「日常の場であり、現実の場である場所で非日常のイベントが行われる」ことを特徴に挙げ、そのユニークさを指摘した。

 神田に在住して30年という中村さんは、都市計画における関わる人々の「街の見通し」の大切さについて触れ、住民や企業関係者などそれぞれの立場の「まちづくりのイメージをクロスさせることにアートが役に立つ」と話し、各登壇者の賛意を得た。

 最後に松田さんは「このフェスに二子玉川ではなく『東京』を冠したのは、東京や世界の中での文化発信の役割を持ちたいと考えたから」といい、「文化の仕事はまちのための仕事ではなく、共有財産という意味で人類のためのもの。二子玉川を舞台に行うことに街の人々が誇りを持ってもらえるように継続的な開催へ発展できたら」と意気込んだ。

 18時からは二子玉川公園の眺望広場で、フェスティバルのテーマカラーであるマゼンタを身に着けた関係者と招待客ら約200人でレセプションが開かれた。日没後は東京フィルハーモニー交響楽団による管楽合奏のほか、多摩川河川敷から飛び上がる8台のドローンを蛍に見立て「数十年前に存在した景色を現代風に再現」した「ドローン×アート『蛍』」を観覧し、規制などにより普段はなかなか見ることのできない光景を楽しんだ。

 レセプションの最後は、アーティストの高橋匡太さんが手掛けた「夜景プロジェクト-マゼンタナイト- Glow with City Project in TAF 提灯行列ランドスケープ」。LEDライトが7色にカラーチェンジする提灯行列で、レセプション参加者と公募による一般参加者約500人が行列になって二子玉川公園から兵庫島公園までの「岸辺の散策路」を練り歩き、ランドスケープを作った。

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