五島美術館(世田谷区上野毛3)で2月18日から、「館蔵 中国の陶芸展」が開催されている。
同館は東京急行電鉄の初代会長・五島慶太氏が設立の構想を練り、1960(昭和35)年4月に開館した。約6000坪の敷地には吉田五十八氏設計の本館、庭園と散策路、明治時代に建てられた茶室「古経楼」(こきょうろう)や立礼席「冨士見亭」などがある。
同展では、同館収蔵品の中国陶器コレクションから、宋時代の「青磁」や明時代の「青花・五彩」を中心に、漢時代から明、清時代までの約60点を時代順に展示する。主な展示物は、日本人が好んだ粉青色の釉色が美しい砧青磁と呼ばれる浙江省・龍泉窯の「青磁鳳凰耳瓶(砧青磁)」や、江西省・景徳鎮窯で焼かれた器の表面を鮮やかな青で文様を描いた「青花唐草文輪花皿」、赤・緑に金彩も加えた華やかな「五彩透彫水注(金襴手)」など。中国陶器以外に、同館収蔵品の刀剣から鎌倉時代末期の「太刀 銘 了戒」や「短刀 銘 國吉」、平安時代後期の「太刀 銘 為利」などの日本刀約10振を同時公開。
期間中の「ギャラリートーク」は、「中国陶器について」(2月23日、3月23日)。開催時間は、各日14時~15時ごろ(開場・受け付けは13時30分~)。当日入館者聴講無料、椅子席100人(先着順)。
同館学芸課長の砂澤祐子さんは「世界の陶磁をリードし続けてきた中国陶磁の華麗な美しさを、一点一点じっくりと鑑賞していただき、お気に入りの中国陶磁を見つけていただければ」と話し、「同時公開される日本刀のさまざまな表情を見せる刃文の美しさの中に、日本特有の美意識を感じていただれば」と来場を呼び掛ける。
開館時間は10時~17時(入館受け付けは30分前まで)。月曜休館(3月20日は開館、翌日休館)。入館料は、一般=1,000円、高・大学生=700円、中学生以下無料。3月26日まで。