東京中央卸売市場世田谷市場(世田谷区大蔵1)で7月16日、東日本大震災復興支援イベント「花の力 for Japan」が開催される。
主催は、花の仲買人や生花店、フラワーアーティストなど「花にまつわる仕事」をする人たちが復興支援のために立ち上げた「花の力プロジェクト」。震災の報道に心を痛めた、同区岡本在住で来日25年のオランダ人フラワーアーティスト、レン・オークメードさんが、「日本への感謝の気持ちを表したい。『花』で被災地のために何かできないか」と周囲に働きかけ、仲卸社長や同業者、花屋を営む人たちなどがこれに応えた。これまでにも被災地へ支援物資や花を贈ったり、被災地で花を使ったパフォーマンスを行い避難所に飾ったりするなどの活動に取り組んできた。
そうした活動を通じて、「現地の生花店の仕事を奪うことなく元気になってもらうためにできることは何か」を考えた結果、東京でイベントを開き、収益を経済的支援に回すことを考え、今回のイベント開催が決まった。
当日は、日本の第一線で活躍するフラワーデザイナー5人による「フラワーマルシェ」を夜の同市場で開催。ニコライ・バーグマンさん、ハンス・ダーメンさん、平井ペダル・カトリンさん、チェ・ソンボクさん、オ・ソヒョンさんらが参加して、アレンジメント、ブーケなどを販売する。デザイナーたちのデモンストレーションを間近に体験できるとともに、メーンとなるアレンジメント作品は参加型オークションで競り落とすことができる。デザイナーたちは、「日本への感謝」「日本の復興への思い」から、ボランティアで参加する。
花とふれあい、遊び、メッセージを送れる参加型プログラム「フラワーワークショップコレクション」も展開。チャリティーフラワーとして子どもが花を配布する「こどものお花屋さん」、大人も子どもも1回500円で参加できる「フラワーアレンジメント教室」、ハワイに伝わる「レイ」の技術を使って花のアクセサリーをアレンジする「フレッシュフラワーの髪飾り」、花に東北応援メッセージを添えて、フラワードーナツ(輪の形の花)のモニュメントを完成させる「フラワードーナツをつくろう!」など。「フラワードーナツをつくろう」参加者には、クリスピー・クリーム・ドーナツを提供する。
「東北応援マルシェ」では、日本復興支援団体「仙台とどけ隊」や現地の人々の協力で岩手、宮城、福島各県の名産品を販売する。ぷりん家「無添加プリン」、senz「納豆・豆類」、情熱工房ねの吉「クリームチーズケーキ」、よっちゃん農場「よっちゃんなんば(調味料)」、ダイチ「漢方和牛」、みやぎのあられ「あられ各種」仙台発祥チーズを使ったチーズケーキ、宮城の野菜各種、石巻のガーベラなど。5階カフェ食堂「EBISUYA・kitchen」でも、東北名産品を使った特別メニューを提供する。
イベントの収益は、「花の力で心を育てるプログラム」の開発に役立てられる。東北エリアの学校や仮設住宅に花壇を植栽する。秋咲きの花をリースの輪の形(ドーナツ形)に植える。秋咲きの花の下には、来年春先に芽吹く春の球根も植える予定。同プロジェクト代表のかねとういさおさんは「リースの『輪』にはまた戻ってくるという意味もあり、永遠や平和そして幸福のシンボルでもある。花を愛する仲間が集まったこのプロジェクトでは、花の力で一人でも多くの人が元気になってもらえるよう、今後も継続的に支援していく」と話す。
会場は世田谷市場花き棟3階。開催時間は18時~21時。参加費は、当日券=2,500円、前売り=2,000円(高校生以下無料)。チケットは、同プロジェクのサイト、イープラスのほか、イベントポスターのある生花店と花き市場仲卸各店舗で販売している。