見る・遊ぶ

二子玉川のそば店「大勝庵」が玉電運転台保存郷土館に

「玉電と郷土歴史館」館長の大塚さん

「玉電と郷土歴史館」館長の大塚さん

  • 0

  •  

 二子玉川のそば店「大勝庵」(世田谷区玉川3)が12月10日、「玉電71形運転台と郷土館」(TEL 090-7901-0071)としてリニューアルオープンする。展示面積は5.3坪。

[広告]

 1970(昭和45)年に創業した同店は、店主が体調を崩したことから今年6月に廃業。店内に1969(昭和44)年に廃線となった路面電車玉川線(以下、玉電)の支線である砧線車両の運転台や多数の列車部品などが展示されていたため、地域の住民や電車愛好家から閉店を惜しむ声が強かった。そのため、同店元店主で館長を務める大塚勝利さん(68)が、「まちおこしのためにも」と店内を改装し、これまでに収集した二子玉川の郷土資料と併せて展示し一般開放することにした。

 「目玉」となる車両運転台は、「金太郎と呼ばれ愛された」玉電71形のもの。そば店の常連客とのつながりから2000年に設置。その後、大塚さんの元には玉電砧線に関連するさまざまな品(敷石、列車前面下部に取り付けられる排障器、車両の運転免許証など)が持ち込まれ、寄付されるようになった。砧線廃線直後各地で開催された「使用品即売会」で大塚さん自身が手に入れた、車両プレート、数種類の広告が入ったつり皮、車両番号、行き先掲示板(サボ)なども合わせ、館内に250点以上を常設展示する。同館オリジナルの「吉沢駅」をモチーフとした来場記念スタンプも押すことができる。

 「物は捨てられない」と話す大塚さん。手製の史料「玉電62年の足跡」以外にも、二子玉川の郷土史料をスクラップブックにして長年保存してきた。「車両に限らず、玉電が砂利を運んでいたころの二子玉川の情景を伝えたい。遊園地や料亭があり、一面畑だった現在の玉川高島屋が立っている辺りの写真なども展示している。二子玉川の歴史に興味がある方、『世田谷ロマン砧線に会える』当館へぜひ」とも。

 開館時間は10時~15時(火曜・木曜・土曜・日曜)。入館無料。車で来館の場合は事前の問い合わせが必要。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース