二子玉川商店街のメレンゲ細工菓子・焼き菓子専門店「二子玉メレンゲHOUSE」(世田谷区玉川4、TEL 03-5716-4955)が現在、東京都美術館(台東区)と渋谷ヒカリエ「ShinQs」(渋谷区)で期間限定で出店している。同館ミュージアムショップでは、初来日したヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」作品にインスピレーションを得て製造したコラボ商品も用意する。
昨年11月にオープンした同店では、店長・須田拓磨さんの叔父で、洋菓子店「フレイ延齢堂」(神奈川県藤沢市)オーナーシェフの鈴木廣明さんが作るメレンゲ細工菓子を約2坪の店内で販売している。オーストリアの伝統菓子である同店のメレンゲ菓子は、鈴木さんが30年かけて細工技法を独学で再現したもの。国内でこの技法を受け継ぐ人はおらず、開店以来「食べてしまうのが惜しい芸術作品」としてメディアなどでも数多く取り上げられている。
鈴木さんが一つ一つを手作りする「メレンゲ細工人形」は大量生産できず、デリケートな扱いが必要で発送を受け付けていないため、全国各地から出店の要望が多く寄せられる。同館での期間限定販売は、そうした声に応えた初の試み。
同館では、現在開催中の「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」展のポスターに使用されているフェルメールの同作品をイメージしたオリジナル商品を販売。同展最終日の9月17日まで同館限定で販売する。
同作品は宝石のラピスラズリを絵の具の材料に使用した「フェルメールブルー」と「黄」色のターバン、実寸約2センチの大きさで描かれた「白」真珠の鮮やかな対比で知られる。今回、鈴木シェフが同作品をイメージして作った「フェルメールブルーメレンゲ」は1袋580円で、青と白のメレンゲ(梅味)2色入り。須田さんは「フェルメールブルーを出すのに苦心した」と振り返る。同館ではほかに定番のフルーツメレンゲ各種も用意している。
渋谷ヒカリエ「ShinQs」では今月25日まで、地下2階に出店。須田さんが店頭に立ち、同メレンゲアートの存在を多くの人に知ってもらおうとさまざまな作品を展示し、同店の人気商品を取りそろえてアピールしている。
二子玉川の同店の営業時間は11時~18時。木曜定休。