今年で24回を数える地域の伝統行事「どんど焼き」が1月13日、二子玉川緑地運動場(世田谷区鎌田1)で行われる。
地方によって「左義長(さぎちょう)」や「さいの神まつり」などとも呼ばれ、正月のしめ飾りや門松、書き初めなどを持ち寄って燃やし、新年の厄払いを祈る日本の伝統行事「どんど焼き」。多摩川河川敷で1989年より毎年、竹の櫓(やぐら)の組み立てから「おたき上げ」までを同区鎌田1~2丁目、3丁目(一部)と宇奈根1丁目(同)の住民らで構成される地域住民自治組織「鎌田南睦(みなみむつみ)会」が行っている。毎年1500人ほどの人出があり、「二子玉川の正月イベント」として地域で広く知られている。
式典開始は10時30分、点火は11時ごろを予定。30分ほどして櫓(やぐら)が燃え落ちたころから、竹ざおにつるした「お餅焼き」を開始する。甘酒と餅は無料配布(先着順)。「無病息災になる」との言い伝えがあるどんど焼きの火で焼くお餅は、子ども優先。毎年お餅を楽しみに調味料やアルミホイルを持参する子が多いという。
櫓の組み立てには1週間前の今月6日、9時ごろから同会会員約60人が集まった。多摩川べりのカヤを採集し、同会に伝わる図面に基づき高さ約10メートル、底面幅約6メートルの櫓を、モウソウダケを使って作り上げる。合間には同会婦人部からのお茶や食事の差し入れがあり、談笑しながら一息つく場面も見られた。作業は16時ごろに完了した。
「組み立てを担う会員も年々高齢化している」と話す藤本秀雄同会長。毎年年末に同会会員へ作業参加の募集を回覧するが、特に高所での作業である櫓組みの人手が不足しているという。同会では今後、「祈りを込めて浄火する日本の伝統行事をつないでほしい」と同町会会員に限定せず、同行事準備への参加を広く一般にも募る。同行事に初回から協力して来た脇克仁同副会長も「人と人の『つながり』をここ城南地域から発信しましょう」と呼び掛けた。参加の申し込みは当日13日、町会事務局テントでも受け付けている。