世田谷区の広域二子玉川エリア(玉川~砧地域)に4月1日、東京都認証保育所の「生活クラブ保育園ぽむ・砧」(砧4、TEL 03-426-5207)と「小学館アカデミーふたこたまがわ保育園」(玉川3、TEL 03-3515-6886)の2園が開所する。
今年4月の同区内115認可保育園への入園申込者数は、受け入れ枠2395人に対し昨年より約550人以上増えた4986人で、次年度の待機児童数は「予断を許さない状況にある」(同区子ども部保育課)。特に0歳児と1歳児の需要増加が顕著で、5年前の2008年度に比べ昨年度の申し込みの増加率はそれぞれ88パーセントと70パーセント増で、計3185人だった。
同区には保育サービス施設として同認可保育園(区立、私立)のほかに、保育室、保育ママ、東京都の認証保育所があり、認可園以外の保育施設に入所すると「待機児童数」から除かれる仕組み。地域別の認可園入園申し込み状況は世田谷、玉川各地域で各1000人を超え、特に玉川地域は直近5年間(2008年度比)で85パーセント、隣接する砧地域も89パーセント増で区内で最も伸び率が高いエリアとなっている。
待機児解消に向けた行政の取り組みとしては、同区は昨年度整備分として認可園などの新規受け入れ枠860人の拡大に加え、本年度整備では2014年度春までに1000人増を発表した。また、今年4月入園に向けては、都の認証保育所の受託定員設定の過半数が0~2歳児であることから、定員の一部を認可保育園の入園待機通知書を提示した場合のみ契約できる枠(「待機児受け入れ枠」)の確保を各園に要請しており、各園ではこれを受けて同受け付けを今月15日まで実施している。広域二子玉川エリアで同「待機児受け入れ枠」を実施するのは6園で、そのうち今春開所する認証保育所は2園。
小田急線祖師ヶ谷大蔵駅徒歩8分のマンション1階に開園する「生活クラブ保育園ぽむ・砧」は「生活クラブ生活協同組合・東京」(本部=宮坂3)が運営事業者。保育事業には2007年に西東京市で初参入し同園で3園目となる。同組合の食材を使用した給食や「ワーカーズ・コレクティブ」スタッフ制度の導入などで「地域の力」を生かし、「『もうひとつの安心できるおうち』を特色に運営する」(同組合地域福祉事業課若松恵子さん)。待機児受け入れは0歳、1歳、2歳の各枠1人ずつ。
二子玉川駅徒歩7分の新築マンション2階に開く「小学館アカデミーふたこたまがわ保育園」の運営事業者は、小学館集英社プロダクション(千代田区)。同社エデュケーション事業局総合保育事業部は公的機関や企業との連携による認可・認可外保育施設の運営、個人向けベビーシッターサービスまで、さまざまな保育サービスを全国展開しており、認証保育所は同園で11園目となる。小学館の幼児教室「ドラキッズ」のノウハウを生かした幼児教育プログラムなどが特色。待機児受け入れ数は0歳=2人、1歳=2人、2歳=1人。
世田谷区はほかに、来年4月1日の開設に向け、同区内の土地または建物の所有者と保育所運営事業者のマッチングを行う目的で「認可保育所整備候補物件の募集」を呼び掛け独自に取り組んでいるが、今のところ具体的な候補物件の提案につながったケースはないという。 締め切りは5月10日だが、具体的な候補物件が見つかった段階で、3月22日までに事前協議を行う必要があるという。同区保育課保育計画推進担当は「区有地や国有地だけでなく民間の土地や建物も活用し、引き続き認可保育園の増設に全力で取り組んでいく」と話す。