世田谷区立二子玉川公園(世田谷区玉川1)で4月14日、桜を通じた日米の友好100周年と東日本大震災の支援としてオバマ米国大統領から贈られたハナミズキ53本が植樹された。
ハナミズキは、昨年4月30日に野田前首相とオバマ米国大統領がワシントンD.C.で会談した際に発表した「日米共同声明:未来に向けた共通のビジョン」の中で、安全保障協力、経済および文化・人的交流の分野での日米関係の強化・拡大を目指す「協力イニシアチブ」の一環として寄贈された。
「友好の木~ハナミズキ・イニシアチブ」は、1912(大正元)年に当時の尾崎行雄東京市長が桜の苗木6040本を米国へ寄贈したことに端を発する。タフト米国大統領からは返礼として1915(大正4)年に40本のハナミズキ(白)の苗木が贈られており、その交流から100周年を迎えた昨年に日米両国の「永続的な友好の象徴」として、東京と2011年に発生した東日本大震災からの復興に取り組む地域を含む日本全国各地にハナミズキ3000本、そのうち世田谷区に53本が贈られた。
世田谷区とハナミズキの縁は深く、同区深沢の都立園芸高校には1915(大正4)年に寄贈された「第1世代」のハナミズキが1本現存する。現在、返礼の原木の多くは枯れているか行方が不明といわれており、高さおよそ8メートルの大木に成長した同校のハナミズキが国内でも希少な「日米親善交流の証し」となっている。その後、2000年2月1日に尾崎行雄記念財団などが主催した「日米花の親善交流」で、タフト大統領のひ孫であるボブ・タフト氏より「第2世代」の紅白ハナミズキが贈られ、区立二子玉川小学校正門近くの一角で今年も花を咲かせている。
同公園の開園式典後に行われた植樹式には、保坂展人区長とアメリカ合衆国政府を代表しカート・トン米国政府アメリカ大使館首席公使、二子玉川小学校の児童18人が参加。保坂区長は「オープンの記念すべき日に、公使に来日していただき光栄に思う。100年前に寄贈された第1の原木や2000年に寄贈された第2の原木のように、本日植樹したハナミズキも50年、100年後、元気に花を咲かせてほしい」とあいさつし、トン首席公使は「本日植えたハナミズキは、若者が育て、楽しんでくれると思う。この花は日米友好の強くゆるがない証しであり、また、世田谷区の特色となることを誇り思う」とスピーチ。除幕と植樹を行った同校の児童たちは「緊張したけれど、僕たちが植えたハナミズキがすくすくと育つことを願っています」と話していた。