砧図書館近くの小田急線高架沿い通りに、「D-printギャラリー」(世田谷区祖師谷3、TEL 03-6411-3299)がオープンして半年がたった。
同店オーナーの原俊彦さんは、屋外や駅構内の大型広告、ビル・乗り物などのラッピング広告の企画・制作・施工会社「光伸プランニング」(渋谷区恵比寿西)を30年にわたり経営。全国の美術館・博物館の展覧会の公式グッズなど、小ロット生産品への印刷技術を豊富に持つ。昨年、息子の壮さんに同社の経営を譲ったことを機に、これまでの技術を生かした個人向けサービスを始めた。
店舗面積約20平方メートルの店内は、オリジナルグッズ制作工房とギャラリーを兼ねる。昨年12月にクリスマス用木工製品の展示販売を始め、2月には「11ぴきのねこ」(こぐま社)などで知られる絵本作家・馬場のぼるさんの原画展示とグッズ販売を行ったほか、個人の美術家・工芸家の作品の展示を数週間単位で行っている。
同店の特徴は、ギャラリー展示とオリジナルグッズ制作がセットになっている点。オリジナルグッズの種類や点数を作家と相談して制作し、展示会で同時販売できる。初期投資の発生など、作家に財政的な負担が掛からないよう、事前の制作費支払いは無く販売実績の25%を店側が作家へ支払う仕組み。ギャラリー利用料は3万円(1週間)。
「オリジナルグッズ」は、絵画や写真など作品を「マグカップ」(大=1,800円、本体価格)、「パスケース」(1,650円、同)、「金属製保冷ポット」(1,900円、同)、「スマホケース」(1,600円、同)など、200種類以上の製品に印刷して制作する。1個から注文を受け付け、PCなどへの印刷も可能という。納期は10日~2週間程度。
オープンから半年がたつが、「特に宣伝もしていない」と原さん。通りすがりの人が店内をのぞいて「こんなことがこの値段でできるの?」と関心を寄せ、自作の絵画やペットの写真、家族写真を持ち込む注文が増えてきているという。「前職の知識や技術を生かすことで、お客さまの喜ぶ顔を直接見られるのがうれしい」とも。
営業時間11時~18時。土曜・日曜・祝日定休。