上野毛にあるホームメードパイ専門店「ママタルト」(世田谷区上野毛1、TEL 03-6335-0143)が12月12日、代官山から移転して1周年を迎える。
1987年(昭和62)年に代官山で店主の浅井千代さんが姉と開いた同店。建物の老朽化が進んでいたところに東日本大震災の影響も重なったことから、「耐震性が十分でない」と判断され取り壊しが決まり、2013年12月1日に閉店した。同12日に浅井さんと娘の上利明日香さんが上野毛駅から徒歩3分の場所で「上野毛店」を開き、再発進した。
上利さんは同所を選んだ理由について、「幼稚園~小学校時代を過ごした親しみのある土地で落ち着いた街の雰囲気が好きだったこと」を挙げ、「地域の皆さんの温かさ・人柄にも魅力を感じていた」と話す。
店舗面積は約10坪、席数はテーブル席10席を用意する。代官山店に比べ、広さと席数は約4分の1に減ったが、「お客さまとの距離が近くなり会話も増えた」と上利さん。「これまで厨房が忙しく接客に出られなかった母も店頭に出てお客さまと交流が持てるようになった。毎日とても楽しい」と笑顔を見せる。
店名は「ママタルト」だが、実は製造するのは「タルト」ではなく「パイ」。レシピを作った上利さんの祖母が命名したというが「今となってはなぜ『タルト』なのか分からない。『母の味』をイメージする名前にしたかったのだと思う」と明かす。祖母から母へそして孫へと受け継がれてきた同レシピは、アレンジや新しいものを取り入れながら増え続けている。
全て同店で手作りするパイは、仕込みから完成まで3日ほどかかる。上利さんの「おすすめ」は冬季限定の「いちごのパイ」(620円)、「みついものパイ」(650円)、「和栗のパイ」(600円)。入り口店頭にあるショーケースには「お菓子のパイ」「おかずのパイ」合わせ常時12~15種類を並べる。ランチタイムには「きのこと玉ねぎとパルミジャーノチーズのパイ」や「キーマカレーパイ」などの好みの「おかずパイ」1品にドリンクとデザートが付いたセットメニュー(1100円~)を用意する。
各商品の質量は代官山時代と変わらないが、遠方からの来店客への感謝の気持ちを込めて価格を100円ほど下げて提供しているという。上利さんは「何度食べても飽きないと言っていただけるよう、新しいメニューの提供も行いたい」と意気込む。
営業時間は11時30分~19時(=ランチタイム、15時まで)。月・火曜定休(祝日の場合営業、翌日休み)。