4月24日に開業した「二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット」(世田谷区玉川1)を盛り上げる記念イベント「FUTAKOTAMAGAWA EN NICHI(ふたこたまがわえんにち)」が始まった。
30年をかけて進められた二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業(二子玉川ライズ第2期事業)の開業により、若年層や遠方からの来街者などが増加し、さらなる街の広がりが予想される。同街では、エリアの別なく一体となり、来街・来店の人々が楽しめるような回遊性の高い施策を実施しようと、日本の伝統的な地域行事である「縁日」をテーマに、ワークショップやライブパフォーマンス、テントシアターでのアニメーション作品の上映など、さまざまなイベントをゴールデンウイーク期間中に企画した。
中でも高い関心を呼んでいるのが、風を動力にして動く巨大アート「ストランドビースト(Strandbeest)」。同作品の商用施設への展示は世界初で、同所ではデモンストレーションや体験会も行う。オランダの彫刻家・物理学者テオ・ヤンセンさんが生み出した同作品は、二子玉川ライズS.C.、ドッグウッドプラザ、バーズモール、オークモール(カシノキ広場)のほか玉川高島屋S・Cなど10カ所へ各1体、計10体を設置する。
「ストランドビースト」は電気工事などに使われるPVCチューブを曲げたり束ねたりして制作される「超巨大キネティックアート」。コンピューターやプログラミングなど機械を使わず風を「食べながら」スムーズに動く。「Strand」はオランダ語で「砂浜」、「Beest」は「生命体」を意味する2語をつなげたヤンセンさんの造語で、ヤンセンさんが制作する「生物」(作品)の総称でもある。
構想時に設計図はあるが、「チューブの声を聞きながら」(ヤンセンさん)デザインを進めていくという。大きなサイズの作品では制作に約半年、その後砂浜で動作確認を繰り返し、改良しながら「化石のような」質感にするまでさらに半年ほどかかるという。重量は大きなもので100キロを超え、小さめの作品で約40キロほどある。
高さ10メートルを超える大型の3作品のデモンストレーションが二子玉川ライズのガレリア、二子玉川ライズS.C.テラスマーケットの噴水広場で行われる。ガレリアでは、「アニマリス・シアメシス(animaris siamesis)」(=ラテン語でシャム結合双生児の意)と「アニマリス・モデュラリウス(animaris modularius)」(=ラテン語で構成単位の意))の2体を展示、噴水広場では「アニマリス・プラウデンツ・ヴェーラ 2世(animaris plaudents vela II)」(=ラテン語ではためく帆の意)を展示する。24日午前中に行われた初デモンストレーションには多くの観覧客が集まった。スタッフが掛け声とともに大きなうちわで風を起こすと、生物のように関節を曲げながら「歩行」する様子が見られ、会場を沸かせた。
数々の作品はそれぞれ独特の形状を持ち、動くメカニズムも異なると言い、「デモンストレーションでは各構造の違いに注目すると興味深いのでは」とヤンセンさん。「自然が豊かな二子玉川で自分の作品を多くの方に見てもらえてうれしい。『双子(ふたご)』の名を持つストランドビーストが『二子(ふたこ)』にあることにも縁を感じる」とも。
期間中、東急線アプリ×「FUTAKOTAMAGAWA EN NICHI」スタンプラリーも実施する。東急線アプリを使って、5カ所のチェックポイントに設置されたスタンプを集めると、先着1万人に「のるるんオリジナルシードペーパー」を進呈する。
開催時間は10時~21時(変動の可能性あり)。デモンストレーションの実施時間は作品ごとに異なる。24日・25日には、同ガレリアでヤンセンさんのあいさつとサイン会(12時30分~、14時30分~、16時30分~)を予定。5月6日まで。