慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科や東急電鉄などが設立した停電回避プロジェクト・コンソーシアムは7月1日、二子玉川駅周辺を中心とした東京電力管内の住民に向けた停電回避プロジェクトを開始した。
今夏、東京電力管内では、電力供給の低下により、大規模な停電を避けるためには、総需要の 30%を占める家庭部門の節電協力が不可欠。他方、実際にどのくらいの市民が節電に取り組むかは未知数で、電力会社や行政の呼び掛けに市民がどれだけ反応したかを「見える化」することが課題となっている。同プロジェクトでは、これらの問題を解消できるようなシステム構築を目指すという。
具体的には、スマートフォンの無料アプリケーション「停電検索」と連携。参加者から報告を受け、サーバーで参加者全体の節電量の積算を行い報告する。ピーク時には、電力需要を調整する節電アクションを呼び掛け、実際に停電リスクが高まった時の停電回避に対する実効性を高めるほか、電力需要のピークに合わせて変化する独自のポイントを付与し、節電貢献度の高かった参加者をランキング。ツイッターのハッシュタグを活用し、停電を回避するための節電アクションを呼び掛け、エアコンを消すなどの取り組みを参加者に報告してもらう訓練も行う。
同大研究グループでは、停電回避プロジェクトの検証計画を立案し、取得データを解析することで停電防止にどの程度貢献したかの効果を検証する。
期間は、7月1日より100日間を予定。