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楽天、二子玉川の新社屋へ移転完了 従業員約1万人集約、良質な環境求め

二子玉川駅から新社屋のビルを繋ぐ道に掲示された楽天の広告・社員による直筆メッセージが。

二子玉川駅から新社屋のビルを繋ぐ道に掲示された楽天の広告・社員による直筆メッセージが。

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 楽天(世田谷区玉川1)は9月14日、本社を二子玉川ライズ内「楽天クリムゾンハウス」へ移転登記したことを発表し、報道関係者へ向け社屋内を公開した。

挨拶する三木谷浩史社長

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 同社は今年7月に複合商業施設二子玉川ライズ内に開業した、地上30階・地下2階建てのオフィス・ホテル棟の2~27階を占有する。延べ床面積は、隣接する「楽天クリムゾンハウス アネックス」と合わせて約6万4500平方メートル。屋内のデザインは、同社のチーフクリエーティブディレクター佐藤可士和さんと同社の会長兼社長三木谷浩史さんが議論を重ねたといい、「シンプルさと快適性を追求したデザイン」で統一されている。同社のコーポレートカラーである「楽天レッド」(クリムゾン=濃い赤色)を床やソファなどの家具に多く採用したことで、夜間には建物の外観が街に赤く浮き上がるように見える。「ハウス」と名付けた理由について同社広報は「一つ屋根の下、家のように心地よく快適に仕事ができる」と話す。

 同社は1997年、6人のベンチャー企業として創業。現在は世界28カ国・地域で事業を展開しており、従業員の平均年齢は約33歳。外国籍の社員は約2割。新社屋で働く従業員数は同社およびグループ企業など約1万人で、全世界の総従業員数の約8割を占める。

 内覧会の冒頭あいさつに立った三木谷社長は、二子玉川への移転について「都市機能と自然環境のバランス」が決め手であったことを明かし、本社移転を機に「これまで以上に従業員の健康面や福利厚生にも配慮した施設・制度を整えた」と話した。渋谷から電車で約10分の場所にあり、通勤ラッシュとは逆方向の混雑の少ない通勤が可能となる従業員が増えること、周辺の良好な住環境を見込み、徒歩や自転車での通勤の可能性にも触れ、昨今のビジネススタイルの変化への対応を想定したオフィスライフの実現を目指した。

 社屋内にはミーティング・セミナー会場として、1997年の創業以来、毎週1回行われている全社員参加の情報共有ミーティング「朝会」会場(約2000席)を設けた。L字型にビルの2辺を活用した巨大なフロアの中心部分に演台を設け、左右に向かい各1000席が設置されている。三木谷社長は、ビデオ会議システムで国内外50カ所以上の拠点へライブ中継される環境を整えることで「経営や従業員の働き方に革新的な流れをつくる」と話し、「創業者精神をいかにキープするか、それを実現するための仕組み」と自ら評した。ほかに、来客用会議室を2フロアに全60室用意し、室内には「楽天市場」出店店舗から選んだ家具を配置、ショールームの役割も果たす。「楽天市場」出店店舗向けの講座「楽天大学」の部屋(75席)も。

 福利厚生施設として、社員食堂「カフェテリア」2カ所を設ける。「従業員のコミュニケーション活性化と健康維持を目的」に、朝食、昼食、夕食の3食を無料提供するという(約750席)。ほかにコンビニエンスストア、ヘアサロン、フィットネスクラブ&スパ、語学学習室、クリニック、託児所、クリーニング、従業員向けライブラリーなども設け、社員の利便性の向上を狙う。来客用に会食しながら会議ができる「クリムゾンクラブ」も設け、和洋懐石料理や鉄板焼き、すしを提供しもてなすこともできる。

 内覧会では、執務エリアなども公開。壁や囲いの無い、オープンな三木谷社長のワークスペースのほか、壁面ホワイトボード、スタンディングテーブルが各所に設置された従業員同士が気軽に打ち合わせができる共有空間、机の高さが昇降可能な国産で特注した電動デスクなど、「時間や場所を選ばず活発に議論を交わせる環境づくり」について説明した。

 地元との交流や連携について、同社CSR部の横井元子さんは「花火大会や地元の例大祭への協賛などを考えている」と明かし、今後については「地元の子どもたちに社会科見学で来場してもらうなどを検討している」とも。

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