福島県内で暮らす親子を世田谷に招く宿泊型プログラム「ふくしまっ子リフレッシュ in世田谷・2015冬」が12月23日~26日、3泊4日で開かれる。
2011年3月の東日本大震災に伴う、東京電力福島第一原発事故をきっかけに立ち上がった同プログラム。2012年3月に第1回の受け入れを実施して以来、夏・冬・春の学校の長期休暇にあわせ、福島県内から各回60人前後の親子を世田谷に招いている。今回で12回目を数え、これまでに延べ820人が参加した。福島の現状を共有し、支援のあり方を考える講演会もこれまでに12回開催している。主催は20を超える市民団体で構成される「福島の子どもたちとともに・世田谷の会」。
今回は大蔵第二運動場など区の施設を拠点に実施される。19家族59人が参加予定で、参加者は郡山、三春、いわき、須賀川、白川、伊達、福島市などからで、リピーターと新規参加が半分ずつの割合という。
プログラムは、砧公園や羽根木プレーパークなどの屋外で思い切り体を動かす「外遊び」と、参加者とスタッフらが交流することを目的とした「歓迎会」「送別会」。「自由行動の日」(25日)も設けており、観劇招待を受けた成城ホールでの「子ども劇場定例鑑賞会」も申し込みが多く好評という。
同会副代表のあいぼしもとこさんは、震災から5年を迎える今の課題について経費を挙げる。1回の活動で約100万円超の経費は、これまで寄付や助成金、参加者からの参加費などで賄ってきた。「今後は震災後の復興関連の助成金も見込みが薄くなる」ことから、同会では同区立の幼稚園・保育園・小中学校にチラシ5万枚を配布するなど、活動の広報とともに寄付の協力の呼び掛けに力を入れるが、回を重ねるごとに集金が難しくなっていることを明かす。
「福島からの参加者に話を聞くと、震災以降以前と同じように外遊びをさせている人はやはり少ない。たとえ数日間でも、親も子どもも思い切り外で遊べる機会は大切。できるだけ長く支援を続けていきたい」とあいぼしさん。「引き続き現地の現状を伝えたい」とも。そのほか、運営スタッフの世代交代を課題に挙げ、少数で一人一人への負担が高いことと徐々に高齢化している実情についても触れた。
協賛品の提供は随時同会ホームページで受け付ける。運営費用の寄付の詳細も同ページで確認できる。