野毛の多摩川近くに立地する「楽ちん堂カフェ」(世田谷区野毛2、TEL 03-3702-8468)は来年4月から、小学生を対象とした放課後預かりサービスを開始する。
同カフェは、俳優のイッセー尾形さんの舞台をデビュー以来40年にわたり手掛けてきた演出家の森田雄三さんと妻でプロデューサーの清子さんが2012年、イッセー尾形さんの舞台活動休止をきっかけに立ち上げた。公演の上映中、スタッフらがロビーで、観客の子どもの面倒を見ていた経験を生かし、森田さんの住居兼劇団の稽古場をカフェへと改装し、週末の宿泊付き学童を始めた。2014年からは隣接する建物内で、障がいを持つ中高校生向けの「イクツアルポック」も開所した。
一般の小学生を主な対象とした放課後預かりサービスの開始について、「これまで赤ちゃんから通ってきていた子どもたちが成長し、ニーズが出てきた」と清子さん。カフェを拠点に運営することで子どもたちが食事を皆で作って食べ、お父さん・お母さんの帰りを待ったり、子どもだけでもふらっと食べに来ることができたりする「子ども食堂」の役割も持たせ、勉強のサポートなども行う。高学年の子たちが低学年のこの面倒を見る「昔の村の子どもたちのような在り方を目指し、大人がサポートする」とも。
清子さんは「私たちは教育とビジネスの間にあるものを目指している」と話す。これまでも、同カフェには近所の自主保育グループらが頻繁に子連れで来店するなど、「子どもを当たり前に受け入れる環境のあるカフェだった」といい、週末の宿泊付き学童預かりでは、子どもたちがキッチンで自分たちのための食事を作ることもあり、「さらに食育に力を入れたい」と意気込む。
同カフェの通常営業は来年1月17日までで、その後改装・休業に入る。同サービス開始の詳細は同所ホームページで公表する。