「二子玉川ライズ協議会」が3月14日、「先進的な技術や手法を活用した優良なまちづくり」を表彰する「第2回先進的まちづくりシティコンペ」で国土交通大臣賞を受賞した。
受賞した取組名は「二子玉川ライズの街づくり」。都心郊外部の私鉄駅である二子玉川駅の東側に位置し、国分寺崖線と多摩川に挟まれたエリアに2011年に誕生した二子玉川ライズ。二子玉川園(遊園地)が閉園した1985(昭和60)年ごろから、地元有志によって再開発の機運が高まり、同地を活用した市街地再開発事業として計画された。
第 1 期は 2007 年から2011年、第 2 期 2012 年から2015年と、構想から完成まで30年の時を経て、商業施設(床面積2万2000坪)、オフィス(同2万6000坪)、住宅(約1000世帯)のほかバスターミナル(交通広場)、ホテルを整備した。
「二子玉川ライズ協議会」は、二子玉川ライズの5つの街区の管理主体によって組織されており、鉄道事業者や各街区の管理組合で構成されている。発足から7年を迎え、街のにぎわい創出やブランド向上を目的として主にイベントの実施などのほか、タウンマネジメントにも取り組む。
評価を受けたのは、6000平方メートルの屋上緑化など敷地全体で約1万平方メートルの緑化を行うとともに、環境性能評価(LEED ND)のゴールド認証を取得するなど、二子玉川の自然環境との調和を目指した再開発であったこと、都心部とは差別化された就業空間を創出し、都心部郊外部に新たな需要を喚起することで通勤混雑の改善などを目指していることのほか、敷地内と周辺エリアの自然を活用した地域の子ども向け体験事業を定期的に開くなど、タウンマネジメント活動により地域へにぎわいの創出とブランド向上に成功した点。
表彰式に参加した川辺義高会長は「1982年の『再開発を考える会』の発足から約30年の時を経て完成した二子玉川ライズをより活力と魅力に富んだ街にするため、引き続き取り組んでいきたい」と話した。
「先進的まちづくりシティコンペ」は2016年度創設で、これまでに「室蘭グリーンエネルギータウン構想」「柏の葉スマートシティ」「大手町・丸の内・有楽町地区のエリアマネジメント」などが受賞した。2017年度の応募総数は16件、うち同賞を受賞したのは二子玉川ライズ協議会のほかには「『並木横丁いこいこ』まちなか空き店舗再生創業事業」(飯田まちづくりカンパニー)と「産学官民連携による地域と市民が主役のまちづくり」(日向市ほか4団体)の2団体。ほかに「審査委員会特別賞」として「人口10万人のむらを目指す、たかが100人、されど100人のむらづくり物語」(伊座利の未来を考える推進協議会)。首都圏では唯一の受賞だった。