東急電鉄田園都市線桜新町駅(桜新町2)北口・西口出入り口に2025年、木材の上屋が新設される。
駅を開放して沿線の人や活動、資源、情報などをつなげようと東急と東急電鉄が手がける田園都市線地下区間5駅(池尻大橋駅・三軒茶屋駅・駒沢大学駅・桜新町駅・用賀駅)のリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND(グリーンアンダーグラウンド)」(以下GUG)の一環。「WITH THE CHERRYBLOSSOMS(ウイズ ザ チェリーブラッサムズ)」をコンセプトに、2023年5月から始まった桜新町駅リニューアル工事は、八重桜とソメイヨシノの桜並木が連なる街並みに溶け込むような空間の創出を目指しているという。
新設される上屋は、構造部材に木材を使った木造トラス構造で、勾配屋根の外観を採用。同電鉄鉄道事業本部工務部設備プロジェクト課主事の増田尚大さんは「日中は梁(はり)上の間接照明を用い、夜は部材の隙間からあんどんのように町並みを彩り、個性的でありながら、桜新町の人々の暮らしに寄り添い、親近感のあるデザインとなっている」と話す。使う木材の一部には青森県産材を取り入れ、2004(平成16)年から続く「桜新町ねぶた祭り」をはじめとした桜新町と青森の交流の歴史を受け継ぐという。上家を木造化することでCO2を約7トン固定化(林野庁「企業による森林づくり・木材利用の二酸化炭素吸収・固定量の『見える化』ガイドライン」に基づく計算)し、CO2排出量を抑制するなど、脱炭素・循環型社会の実現も目指していく。
増田さんは「GUGは、脱炭素・循環型社会の推進および、地域に開かれた『サステナブルな地下駅』を目指し、順次リニューアル工事を進めている。東急線沿線地域とのつながりを作り、人々が行き交う豊かで活気のある街づくりに貢献していくので、今後の取り組みに期待してもらえれば」と話す。
工事は今年夏ごろから段階的に着手する。