子ども映画祭「キネコ国際映画祭」が10月31日から、二子玉川駅周辺で開催される。主催は一般社団法人キネコ・フィルム。
ベルリン国際映画祭児童映画部門の協力を得て1992(平成4)年に創設し、世界各国からさまざまなジャンルの「今、見せたい映画」を集め、子どもたちの年齢に合わせて上映する同映画祭。31回目を迎える今年は、映画館、ホール、カフェ、公園、河川敷を会場に、映画上映やワークショップ、ミュージックライブなどさまざまなプログラムを提供する。
今年のテーマは「PLAY and PRAY for peace (プレイ アンド プレイ フォー ピース) ~せかいからあらそいがなくなりますように~」。子どもたちに想像の世界を広げ、思いやり、許し、感謝を養うような体験をしてほしいとテーマを決めたという。同祭広報担当者のの森渉吾さんは「今年のメインビジュアルは争いが止まらない世界情勢を前に悲しむキネコの姿」と話す。
同映画祭ジェネラル・ディレクターは今年で16回目の参加となる戸田恵子さん、エグゼクティブ・ディレクターは中山秀征さんと高橋克典さん、チーフ・プログラミング・ディレクターは横山だいすけさん、スペシャル・サポーターは井ノ原快彦さんと桂宮治さん、迫田孝也さん、アートディレクター/クリエイティブ・ディレクターは森本千絵さんが担当する。
上映作品は、国内外の注目作品、アニメーション、ドラマ、SF、ファンタジー、ドキュメンタリーなど長編・短編合わせて23カ国60作品。うち18作品は同映画祭独自の上映スタイル「ライブシネマ(生吹き替え)」で上映する。「多感な時期にさまざまな価値観に触れ、これからの人生のヒントを見つける」をコンセプトに、思春期の悩みなどを描いたティーンズ向けの作品も上映する。今年は過去最多の日本映画に加え、アジア作品、ケベック映画も上映。新設のドキュメンタリー部門では、大人と子どもが一緒に楽しめる教育的な作品も用意する。今年はウクライナから17歳の映画監督キラ・メルニチュックさんが、戦争開始直後から撮影を開始した「失われたもの」の上映に合わせて来日する。
「Mizbering Theater(水辺上映)」では、東宝会長の島谷能成さんと東急リクリエーション会長の菅野信三さんが子どもに見てほしい映画として選んだ「窓ぎわのトットちゃん」(4日)のほか、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」(2日)、戸田恵子さんが特別参加するライブシネマで「ブラム」(3日)を上映。ペットを連れて鑑賞できるエリアを設置する。
期間中、「チェコフェスティバル」「研究!地球エネルギー体験!」「ソープボックス乗車体験」「トラックの死角体験」、ミュージック・ライブ、ワークショップのほか、2年ぶりに復活する「熱気球飛行」など親子で楽しめるプログラムも用意。
世田谷区大蔵の国立研究開発法人国立成育医療研究センターと共に、病気や障がいに立ち向かう子どもたちに映画を届ける「ホスピタルプロジェクト」にも取り組む。タブレットから同映画祭で上映した映画を鑑賞できる試み。4日は一般社団法人「日本国際教育協会」の神尾りささんをディレクターに、スマイル国際子ども・ユース映画祭フェスティバルディレクターのジテンドラ・ミシュラさんをゲストに招き、映画を通じて子どもの未来を考える「1Day エデュケーショナル カンファレンス」を開催する。
森さんは「世界各国の映画をそれぞれの国や人種、社会問題について知り、平和について考えるきっかけにしてもらえれば」と話す。
会場は、二子玉川ライズスタジオ&ホール、109シネマズ二子玉川、二子玉川ライズ、玉川高島屋S・C、二子玉川公園、多摩川河川敷(二子玉川公園前)、シュクレペールカフェ、ふたこビール醸造所、ロイヤル介護。
鑑賞料金は、18歳以上=1,200円、3歳~17歳=700円。11月5日まで。