玉川消防署は4月2日、多摩川に溺水した幼児を助けた大学生、中村裕貴さん(21)に消防総監感謝状を贈呈した。
事故は3月29日16時12分ごろに発生した。多摩川(世田谷区玉川3)で母親2人と子ども3人が遊んでいたところ、5歳になる女児が木の枝を拾おうとした際に、傾斜角度約20度の左岸スロープから川に転落(多摩川の水深は左岸側=約30センチ、最深部=約2メートル)。その後、現場に居合わせた学習院大学3年生の中村裕貴さんが川に飛び込み女児を確保したが、急流の中で2人とも流され、約10メートル流されたところで中村さんの足が川底に届き、左岸へ救助した。
多摩川という非常に水量の多い河川で溺水している幼児に対して、衆人環視、速い流れという困難な状況の下、幼児を無事に助け出した功労に対し消防総監感謝状を贈り、玉川消防署長は「寒い中、身を挺して人命を救助したことは本当に素晴らしい」と勇気ある行動をたたえた。