玉川高島屋S・C(世田谷区玉川3、TEL 03-3709-2222)で12月8日・9日、東日本大震災被災後に奇跡の復活を遂げた「奇跡のピアノ」のクリスマスコンサートが開催される。
「奇跡のピアノ」は、福島県いわき市の豊間中学校で震災当日の昨年3月11日午前、卒業式で演奏された後、津波にのまれたグランドピアノ。泥をかぶり、ダメージを多く受けたピアノは、当時修復不可能と言われていたが、同市内在住のピアノ調律師・遠藤洋さんの懸命な修復作業によって半年後、復活を果たした。
昨年の大みそかのNHK紅白歌合戦で演奏されるなど、まさに「復興の象徴」として各地を巡回してきたピアノ。8日・9日の2日間にわたり本館1階のグランパティオに登場し、コラボレーションコンサートを開催する。8日は福島のラジオに出演中に自らも被災し、現在も支援活動を続けているシンガー・ソングライターの普天間かおりさんと、地元世田谷区の清泉インターナショナルの生徒16人が出演。「Jingle Bells」や「Night of Silence」などのクリスマスソングをピアノの演奏にのせて合唱する。翌9日は福島県いわき市出身で、音楽活動を通じて海外でも震災支援を呼び掛けてきたバリトン歌手・大沼徹さんが「シューベルトのアヴェマリア」、歌劇「セビリアの理髪師」より「私は街の何でも屋」などを歌う。
8日にはピアノを調律した遠藤さんも来場し、被災地の現状や修復の際のエピソードなどについて語る。会場の隣では、世界中の子どもたちの平和なクリスマスを願う「ホワイトエンジェルプロジェクト」が開催されており、同パティオは祈りのムード一色に包まれる。「震災から時間がたち、記憶が薄れていく中で、あらためて世田谷から震災復興に向けて祈りをささげる機会になれば」と同S・C広報担当の山口瑠美子さんは話す。
開催時間は両日共に14時~、16時~(清泉インターナショナル生徒の参加は14時~のみ)。