岡本・音楽館庭園池にニシキゴイの赤ちゃん-館長の「アオサギ攻防戦」が話題に

ニシキゴイの稚魚(体長約1センチ)・銀鱗(ぎんりん)種とみられるが、胸ヒレ辺りに赤い斑点も

ニシキゴイの稚魚(体長約1センチ)・銀鱗(ぎんりん)種とみられるが、胸ヒレ辺りに赤い斑点も

  • 0

  •  

 世田谷・岡本の「松本記念音楽迎賓館」(世田谷区岡本2、TEL 03-3709-5951)で6月初旬、敷地内の日本庭園池でニシキゴイの赤ちゃんが誕生し、養育を担当する同館長の「天敵」との攻防戦が関係者の間で話題になっている。

毎日2回餌を欠かさない横田館長

[広告]

 現在、同館を個人的に応援する人々が登録する「MGFクラブ」で関心を呼んでいるのが、1973(昭和48)年の同館建立当時からある庭園内の池で飼育するニシキゴイの稚魚の誕生。誰でも無料で登録可能な同ファンクラブは、メンバーになると同館各施設を特別価格で利用でき、同館の横田尭館長から不定期に情報メールが届く。今月18日付けの同メールで稚魚誕生の知らせが配信されるや、お祝いの声などが寄せられている。

 同池に生息するニシキゴイは、「紅白」や「黄金色」など14匹。ほとんどが5年前に流行した「コイヘルペス」による処分後に来池した。2011年より毎年池の消毒を行うようになってから3年連続でふ化に成功しているものの、現在同池生まれはわずか2匹。一昨年に誕生した紅白のコイで、稚魚時には「きょうだい」の存在を30匹ほど確認していたという。稚魚たちの最大の「天敵」はアオサギ。自然豊かな同庭園へ近くの川から飛来し「近くに人間の気配があっても堂々としたもの」で、コイが「飲み込めなくなるサイズ」に育つより前にあらかた持って行ってしまうという。実際、体に鳥のくちばしで突き刺されたような傷痕を残すコイも。

 1日2回、10時と15時に餌をまき、飼育を担当している横田館長は「コイは通常、初夏にふ化するが赤ちゃんの姿で確認できたのは今年が初。体長1センチ程度なのにちゃんとまだら模様もありニシキゴイのDNAが受け継がれている」と喜びを隠せない様子で話す。昨年からは館長室に水槽を2つ用意し、稚魚を大きさで分け、安全で適切な生育環境を整え万全の態勢で臨んでおり、「今年の赤ちゃんは、少なくとも5匹は池に戻してあげたい」と意気込む。

 ファンクラブメンバー以外にも同庭園スタッフや郵便などの配達員、地域の人々など、同館のコイの生育に関心を寄せる人は多く、先日は「最近はウミネコが飛来する地もあるらしいので気を付けて」との勧告がもたらされた。横田館長は、毎年この時期に火ぶたが切って落とされる「アオサギ攻防戦」に加え「新たな敵」対策にも頭を悩ませることになったが、「誕生から1カ月後の7月中旬に見られる親子で泳ぐ姿が何ともかわいらしいのでぜひ見に来て」と来館を呼び掛けている。

 同庭園の一般無料開放は毎月第1水曜10時~16時。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース