祖師谷商店街の日本茶専門店、松田園(世田谷区祖師谷2、TEL 03-3482-6412)が販売する抹茶を使ったひんやりスイーツが人気だ。
話題になっているのは、生クリームと抹茶餡(あん)の入った大福の周りを良質な国産抹茶でコーティングした「抹茶クリーム大福」(1個126円)。3年前に和菓子職人とコラボレーションで開発した。抹茶は時間がたつと退色しやすく、純粋な抹茶のみで色を保つのは難しいとされているが、同商品は冷凍させることで鮮やかな緑色を保つことに成功。20センチも伸びるもちもちとした餅生地と、抹茶本来のほのかな苦みと香りを楽しめる商品に仕上がった。昨年には、公益財団法人世田谷産業振興公社が、世田谷にゆかりのある逸品を世田谷ブランドとして紹介する「世田谷みやげ2012」にも選ばれ、問い合わせが相次いだ。
同店は創業104年になる静岡の日本茶専門問屋松田園の直営店として、祖師谷で50年営業を続けてきた老舗。通常、お茶は産地や種類で命名されることが多いが、本店がお茶問屋として原料を製茶し、お茶屋に卸すまでの製茶の高い技術を持っているため、全国各地の日本茶に加え「まごころ銘茶」というオリジナルのブランドを確立し、長年提供し続けている。
「ペットボトル飲料などの普及でお茶に親しむようになった一方で、お茶を入れて飲む機会自体は少なくなっている」と話すのは、自らもお茶インストラクターの資格を持ち、松田園の営業所長を務める大畑勝弘さん。お茶を使ったスイーツがお茶に親しむアプローチになれば、と開発にも積極的に取り組んできた。「海外ではお茶の効用がもてはやされるほど天然の栄養分が豊富。スイーツをきっかけにお茶のある生活を始めてみてほしい」と話す。
「抹茶クリーム大福」は冷凍で30日間保存がきくため、季節のごあいさつとしても人気。抹茶のほかにも小豆、栗、ごま、プリンなども。水出し煎茶などとのセットでも販売している。
営業は9時30分~19時(日曜・祝日は10時~)。第1、3、5日曜定休。