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万緑の五島美術館庭園、藤やツツジが見頃-国宝・源氏物語絵巻の展示も

見頃を迎えた庭園の藤棚(25日)

見頃を迎えた庭園の藤棚(25日)

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 新緑が鮮やかな季節を迎えた「五島美術館」(世田谷区上野毛3、TEL 03-3703-0662)の庭園で現在、藤やツツジの花が見頃を迎えている。

国分寺崖線上の見晴台から望む二子玉川・多摩川方面(25日)

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 同館の庭園は、多摩川が武蔵野台地を浸食してできた国分寺崖線上に位置する傾斜地で、東急電鉄の創始者・五島慶太が「足腰の鍛錬を兼ねて散策を日課としていた」と伝えられる約5000坪の土地。高低差が約35メートルある経路には、自然環境をそのままに「大日如来洞」「椿山」、伊豆や長野の鉄道事業の際に引き取った石仏などが点在する「佛域」、「菖蒲園」「見晴台庭園」と2つの池のほか茶室「古経楼」と「冨士見亭」(共に非公開)を配する。

 2010年11月からの増改修工事中に発見された遺跡の発掘調査による閉園から、昨年4月にリニューアルオープンした同庭園には、「上野毛のコブシ」と呼ばれる東京都指定天然記念物や「皇太子殿下御手植松」など、さまざまな植物がある。現在、第2期工事中の二子玉川ライズ方面を望む高台に沿って植えられたツツジや藤棚、ボタン、瓢箪(ひょうたん)池そばのシャガなどが見頃を迎えている。同館は昨年、北西側に駒沢通りへ通じる出口(春山荘門)を新設し、二子玉川公園方面への回遊性を確保したことから、多くの人々が周辺の散歩を楽しむ姿が見られるようになった。

 同館では現在、「春の優品展 歌・物語の世界」を開催中。館蔵品の中から、平安時代の「古筆」、鎌倉時代の歌人の肖像画「歌仙絵」など、和歌や文学が織りなす「日本美術特有の世界を展観する」名品約60点を5月11日まで展示している。4月29日~5月11日の連休期間中には国宝「源氏物語絵巻 鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法」を特別展示、5月5日には小中学生対象の「こども美術講座」を開催し、今年は「王朝絵巻の世界」について説明する(受講無料、14時~15時ごろ、先着15人)。

 開館時間は10時~17時(入館受け付けは30分前まで)。月曜休館(5月5日は開館)。入館料は、一般=1,000円、高・大学生=700円、中学生以下無料。庭園入園のみは300円(中学生以下無料)。講演会やギャラリートークなど詳細はホームページで確認できる。

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