玉川高島屋S・C(世田谷区玉川3)の本館地下1階に10月1日、「金沢 ヤマト醤油味噌(しょうゆみそ)」(TEL 03-6447-9859)がオープンした。
同店は、石川県金沢市大野の蔵元でしょうゆ、みそなどの発酵食品を製造する「ヤマト醤油味噌」の直営店。来年3月を予定する北陸新幹線の金沢開業(東京~長野~金沢)を見据え、首都圏に初進出した。
「金沢大野で栄えた『発酵食文化』を首都圏で広めるためのアンテナショップ」と位置付けた都内1号店の地に二子玉川を選んだことについて、同社営業部の山本耕平さんは「発酵食文化を受け入れる食意識の高いエリアで、玉川高島屋にはコミュニティースペース『玉川テラス』があり、われわれが提案する食生活『一汁一菜に一糀(こうじ)』を伝え広めていく手段があるところに魅力を感じた」と明かす。
金沢大野の「発酵食文化」は、17世紀前半に加賀藩3代藩主・前田利常が大野の住人だった直江屋伊兵衛をしょうゆの発祥地である紀州に向かわせ、醸造法を学ばせて導入したことから始まる。同地が北前船の寄港地であったことで麦や大豆、塩などの調達が容易だったことに加え、醸造に適した気候と白山の伏流水に恵まれたという。海運業者として創業した同社は昭和初期からしょうゆ醸造を手掛け、昭和30年代ごろからはさらにみその製造を開始。現在でもみそ蔵では昔の職人が作った16石(約3トン)の木おけを使用している。
約1.6坪の同店売り場はヒノキやスギを使い「金沢の伝統を継承する蔵元」を再現。丸大豆生しょうゆ「ひしほ」(180ミリリットル、540円)、有機生みそ「かなえ」(400グラム、918円)、「玄米甘酒」(490ミリリットル、648円)、「塩糀」「醤油糀」(各120グラム、486円)、「辛口糀」「いしる糀」(各120グラム、594円)など、およそ25種類を並べる。
同社の山本晴一社長は「海にも山にも近い金沢には昔から新鮮で質の高い食材が集まる。そのような食文化の中で磨かれてきた発酵食品の魅力や新しい使い方を二子玉川から発信したい。金沢の魅力についても知ってもらえるよう、行事や暮らしなどを紹介していけたら」と話す。
営業時間は10時~21時。オープンを記念して「福袋」(1袋3,500円)を販売。10月5日まで。