世田谷・瀬田の環八通り沿いに12月22日、「Delishop よしのや」(世田谷区瀬田3、TEL 03-3707-3215)がオープンした。
同店は1960(昭和35)年に市川末治さん(89)が開業した「吉野屋精肉店」を前身とする。地域の「昔ながらのお肉屋さん」として、精肉と揚げ物を中心とした自家製総菜や弁当類を提供してきた。昼時には店頭に弁当を買い求める人でにぎわう「地域の人気店」で、市川さんと市川さんの長女である山田和枝さん、夫の富久さんの3人で切り盛りしていたが、市川さんと富久さんが体調を崩したことから、昨年初めごろより営業時間を短縮していた。
「小さなころから、いずれは店を手伝いたいと思っていた」と明かす三女の山田桃子さん(22)は専門学校で栄養学を学んだ後、約3年間勤務した生活雑貨店のカフェを昨年退職し、同店の「デリショップ」としての再発進を和枝さんと共に計画。同9月に改装工事を始め、実現にこぎ着けた。木を基調とした温かみのある店内の中心に冷蔵ケースを置き、新たにイートイン席6席も設けた。
新店のメニュー構成は、揚げ物単品に加え「メンチ・コロッケ弁当」(585円)、「トンカツ弁当」(640円)、「ハンバーグ弁当」(690円)、「デリ弁当」(450円~)などの弁当類約20種、「生ギョーザ」(1個40円)、「シューマイ」(同38円)など。生ハムやキッシュ、グラタンなど旬の野菜を使用した「日替わりのデリ」(約10種、各100グラム220円~)も新たに登場。
調理は揚げ物などを和枝さん、日替わりデリを中心としたサラダ・総菜類を桃子さんが担当する。「これまで通り、地域密着のお店として食卓の『彩り』の一品になるような、家庭的な味を提供する」と和枝さん。桃子さんは「『ポテトサラダ』や『マカロニ』など、以前から人気のあるメニューの味を守りつつ、旬な食材を取り入れている」と話す。
リニューアルオープンを知らせるチラシや店内メニューなどは桃子さんが作成。カフェでの勤務経験を生かし「いずれは近隣のベーカリーとコラボしてサンドイッチ類の販売を復活させ、スイーツやイートイン席を利用したカフェメニューの提供もできたら」と意欲を示す。和枝さんは「娘たちがいろいろなアイデアを出してやってくれている。店名に父の代から35年続いた『吉野屋』を残すことだけは私の希望を通した」と笑顔で明かす。
営業時間は11時~19時。揚げ物・弁当・イートインの受け付けは11時~13時30分、16時30分~。日曜・祝日定休。