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二子玉川の「元祖カワイイ」童画家、松本かつぢさんのアニメDVD制作へ資金募集

宇津原充地栄さん(松本かつぢギャラリーで)

宇津原充地栄さん(松本かつぢギャラリーで)

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 昭和に活躍し二子玉川で暮らした抒情(じょじょう)画・童画家の松本かつぢさんの代表作「くるくるクルミちゃん」のアニメーションDVD制作プロジェクトが5月7日、クラウドファンディングで資金の募集を開始した。

松本かつぢのキャラクターグッズ商品

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 松本かつぢさん(1904~1986年)は、少女漫画の先駆的作品である「くるくるクルミちゃん」の作者。1938(昭和13)年に連載が始まった同作品は、発表雑誌を替えながら35年もの長期にわたり、さまざまなグッズに使用されたことから「昭和のキャラクターグッズの元祖」とも評される。アトリエを玉川4丁目に置き、創作活動を行った。現在は三女の宇津原充地栄(うつはら みちえ)さんが後を継ぎ、同所で「松本かつぢギャラリー」を開いている。

 二子玉川に暮らし「エキゾチックで華麗な抒情画で中原淳一と人気を二分した作家」の松本さん。来年に没後30年を迎えることから、宇津原さんは近隣在住でアニメーションや漫画に詳しい大澤小雪さんの協力を得て、代表作「くるくるクルミちゃん」のアニメーション(3分間)を含めた10分間の紹介DVDを制作するプロジェクトを立ち上げた。

 今後、同DVDを活用し松本さんの再評価を促すプロモーション活動を多方面へ展開する予定で、制作のために必要な資金130万円を、コミック・漫画などアート分野で必要な支援(サポート)を得るクラウドファンディング・プラットホーム「FUNDIY(ファンディー)」で募る。

 2014年から同ギャラリーの運営を担う宇津原さん。これまでは予約制で開館し、松本さんの作品収蔵がメーンだった同館の状況を一新。現在は週に2~3回一般開放し、原画やスケッチ、キャラクターグッズなどをシーズンごとにテーマを掲げて展示・陳列し、来館者が「最低1時間は楽しんでもらえる空間」を目指しているという。また、来館者の「70~90代の女性のほぼ全員が絵を見ると懐かしむ声を上げる」という一方で、もっと若い世代、初めて作品を見る40代以下の人々が手描きの線の繊細さなどを目にして感動する姿を見て、「元祖カワイイ(Kawaii)」と評される松本さんの作品を「地元二子玉川から広く世界へ発信できたら」と話す。

 協力者の大澤さんは「松本は自身の作品のアニメーション化に強い関心を持っていたが、生前にそれをかなえることはできなかった。その思いを私たちが実現したい。クルミちゃんに新たな命を吹き込み、そして、完成した映像作品を皆さまに見てもらいたい」と、資金協力を呼び掛ける。

 支援へのリターンは、「お礼メッセージ」(500円)、「完成アニメーション作品ディスク」(5,000円)、「複製原画」(15万円)など10種類。募集は7月6日まで。

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