二子玉川のデザイン会社「グラディエ」(世田谷区玉川2)が手掛ける社会貢献型商品ブランド「フタコラボ(futacolab)」は6月13日、「アンサンブル de アート ~アールブリュットとアーティスト支援」を開催する。
「アールブリュット!まちなかミュージアムガイドツアー」のイメージ
同ブランドは「地域で創り、地域に還(かえ)す」を理念に、オリジナル商品を開発するプロジェクトとして2013年にスタート。これまでに、区内の福祉作業所の工賃向上を目指し、地域のパティシエやデザイナーらと企画した焼き菓子「ホロホロ」を販売。昨年12月には「公益信託 世田谷まちづくりファンド」の「キラ星応援コミュニティ部門」で、「世田谷でまちづくりの担い手を応援するコミュニティを作る」ブランド(団体)として助成対象に採択されている。
同ブランドが手掛ける同事業の一環として、二子玉川の街全体で障がい者アートを楽しむことを目的とした複数会場の回遊型イベントを企画した。専門的な美術教育を受けていない障がい者らの芸術は「アールブリュット」と呼ばれ、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた東京都による文化プロジェクト「東京文化ビジョン」では主要プロジェクトの一つに掲げられている。
グラディエの磯村歩社長は「二子玉川が、多様性を尊ぶ地域であることの認知を進めたい」と開催の意図を明かし、3つのイベントを3つの場所で開く。メーンイベント「アンサンブル de アート」(13日13時~18時30分)は二子玉川ライズオフィス棟8階「カタリストBA」で開き、障がい者アートに関するセミナー、障がい者アートを活用した商品の展示販売、アートワークショップを実施する。
アウトサイドイベントでは「まちなかミュージアム in 二子玉川商店街」(13日・14日)を展開する。同商店街の約10店の店内に、同ブランド支援アーティスト・おがたりこさんのアート作品約20点を展示。13日には非営利団体「i-link-u」による「アールブリュット!まちなかミュージアムガイドツアー」を催行し、車いすユーザーなどのスタッフ10人と一緒に作品を鑑賞し、感想などを話し合う交流プログラムも。
連携イベントは、玉川高島屋S・Cで毎年開催されている「世田谷区障害者施設アート・オムニバス展」(南館6階ホワイトモール)。区内17の障がい者施設による合同展で、同ガイドツアーでも訪問する予定。
初開催となる今回、世田谷区や二子玉川商店街振興組合のほかさまざまな関連団体やアーティストとのコラボレーションが実現した。磯村さんは「さまざまな場所、人によるアンサンブルを楽しんでいただきたい」と話し、「二子玉川の街で、市民が社会貢献・支援しながらコミュニティーを形成する『シビリアンパトロンプログラム』の取り組みを推進し、来年以降継続的な開催を目指す」と意気込む。
開催時間はイベントによって異なる。いずれも入場無料。