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五島美術館で開館55周年記念特別展「一休-とんち小僧の正体-」

展示の様子

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 五島美術館(世田谷区上野毛3)は10月24日より、開館55周年記念特別展「一休-とんち小僧の正体-」を開催している。主催は同館と日本経済新聞社。

展示の様子

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 室町時代の禅僧一休宗純(1394~1481)は、後小松天皇の落胤(らくいん)という伝承を持ちながら、徹底して栄達を嫌い自らの理想を持って乱世を生き抜いた「破戒の僧」。社会への鋭い風刺に満ちた奔放な書画や詩は後世の人々をも魅了し、江戸時代には「とんち小僧」「おどけ坊主」という笑いに満ちた物語や演劇の主人公として民衆に広く親しまれ、近代でも絵入り本やテレビアニメなどで愛された。

 同展では、「風狂と反骨の実像」について肖像画・墨跡や著作、所縁の人々の作品から、「笑いに満ちた虚像」を近世以降の文学作品などから捉え、一休像の全容と人々が時代を越えて一休に何を求めてきたかを探る。一休と縁の深い「大徳寺真珠庵」「酬恩庵(一休寺)」「少林寺」から、「乞食僧の姿」を想像させる「網代笠」、「一節切」、「五条袈裟」、「履」などいずれも一休宗純が所用していたと伝えられる所蔵品を展示するほか、全部で約150点を「風狂僧の実像」と「とんち小僧の誕生」の2部に分けて紹介する。

 一般公開に先立って開かれた特別観賞会であいさつをした、元花園大学教授の芳澤勝弘さんは「一休に関する大規模な展覧会は約50年、開かれていない」と明かし、「同展を機に一休に関する研究の機運が盛り上がれば」と話した。

 会期中、同館別館講堂で講演会「一休とは何か」(芳澤勝弘さん・元花園大学教授、10月31日)、「一休を読む―『狂雲集』のことばとこころ」(ディディエ・ダヴァンさん・フランス国立極東学院 東京支部代表、11月7日)、「とんち小僧一休の正体」(岡雅彦さん・国文学研究資料館名誉教授、11月21日)を開催するほか、「座禅体験(法話付)」を10月25日(大徳寺真珠庵住職・山田宗正師)、11月1日(酬恩庵住職・田邊宗一師)、ギャラリートーク「一休さんの字」(10月29日、11月26日)と「一休を楽しむ」(11月4日)を行う。詳細と申し込み方法は同館ウェブサイトで確認できる。

 開館時間は10時~17時(入館受け付けは30分前まで)。月曜休館(11月23日は開館し翌日休館)。入館料は、一般=1,200円、高・大学生=900円、中学生以下無料。12月6日まで。

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