玉川高島屋S・C南館裏に7月11日、新複合商業施設「七(な)のはなビル」(世田谷区玉川3)が完成した。
玉川高島屋S・Cが展開する商業エリア「柳小路」に隣接した同施設。地上3階建てで、敷地面積約95坪、建築面積は約74坪。延べ床面積は約221坪。大正時代に料亭や旅館が立ち並び行楽地として栄えた当時の風情を再現した同エリアに調和する和風の外観に仕上げ、ビルの入り口付近には柳を植栽した。
同ビルは、地元で多方面に活動してきたオーナーの土屋明人さんが東急電鉄の「資産活用コンサルティング」サービスを利用して建設した物件。「地域に喜んでもらえる施設をつくりたい」という土屋さんの思いを、同社が持つまちづくりのノウハウや東急グループのネットワークを生かしたさまざまな提案を受け、2年の時をかけて実現した。
1階には二子玉川で複数店舗を運営する企業「フロンティアワン」(玉川3)による飲食店2店「ビストロます家」と「玉の蔵」が入居し、7月21日にオープン。土屋さんの「地元の人々が普段使いできるお店」という希望をかなえた。
2階には「ユリ治療室」(7月21日開業)と「せたがや在宅診療所」(9月1日開業予定)、3階には「フロンティア二子玉川法律事務所」(7月20日開業)のほか、8月中旬には東急電鉄が運営する会員制サテライトシェアオフィス「NewWork(ニューワーク)」が開所予定。シェアオフィスや診療所をテナントとして誘致することで、二子玉川ライズなど東地区の再開発事業後の二子玉川における職住近接といった新しいニーズに対応し、「二子玉川らしい新しいワークスタイルを提案する」(東急電鉄コンサルティング部 鎌田隆久さん)という。
ビル名の「七のはなビル」は、1954(昭和29)年に同所で暮らし始めた土屋さんの父親の名前の一字と、孫娘からの提案である「二子玉川のイメージに合う」菜の花を充てて命名した。エントランスなどに掲げられた同ビル看板は妻の万寿子さんの揮ごうを元にデザインしたもので、「地域と家族のつながりを表せた」と土屋さん。「まちのさまざまな人が集まって活用してくれる場所になってくれたら」とも。