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静嘉堂文庫で「日本における辞書の歩み」展-江戸時代までの辞書を紹介

日本で最初の蘭和辞典「波留麻和解(はるまわげ)」(1796年)

日本で最初の蘭和辞典「波留麻和解(はるまわげ)」(1796年)

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 静嘉堂文庫美術館(世田谷区岡本2、TEL 03-3700-0007)で現在、企画展「日本における辞書の歩み」が開催されている。

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 江戸時代までに作られた辞書約60点を中国の辞書も含めて展示する同展。主要な展示書籍に、「波留麻和解(はるまわげ)」「訓蒙図彙(きんもうずい)」がある。

 「波留麻和解」は日本で作成された最初の蘭和大辞典。「和解」とは、外国語を日本語で解釈することをいい、書名は「ハルマ」という人の辞書の日本語訳という意味。1796年に脱稿し、以後2、3年をかけて30部余りが刊行された。一冊ずつ区切った専用の本箱に収められている。

「訓蒙図彙」は江戸時代前期の代表的な図解百科事典。子どもたちのための教育的な目的で作られ、考証が詳しく、図が正確であることから「学問的にも優れた著書として知られる」という。「本格的な日本研究の書」であるケンペルの「日本誌」(1727)にも、同書から多く動物図が採録されている。

 「わが国ではまず中国の辞書の影響の下に、漢詩文の読み書きの助けとなるものが作られた。その後、識字層の拡大や、興味・必要性の対象の多様化とともに、辞書の内容も多様化していった。辞書の流れをたどることによって、文化の大きな流れを知ることができる」と同館担当者。

 開館時間は10時~16時30分(入場は16時まで)。月曜休館(祝日の場合は開館、翌火曜休館)。入場料は、一般=800円、高校生・大学生=500円、中学生以下無料。同館司書による列品解説も行う(6月30日・7月28日=14時~、7月9日・16日・23日=11時~)。7月31日まで。

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