静嘉堂文庫美術館(世田谷区岡本2、TEL 03-3700-0007)で現在、企画展「サムライたちの美学 新刀と刀装具にみる粋の心」が開催されている。
平安時代から始まる日本刀の歴史のうち、室町時代までのものを「古刀」、桃山時代の1596年以降江戸時代の宝暦年間(1751年~1763年)ごろまでに作られたものを「新刀」、江戸後期の安永年間(1772年~1780年)前後から1876(明治9)年の廃刀令までに作られたものを「新々刀」と呼ぶ。同展では、新刀の祖といわれる「埋忠明寿」「堀川国広」から、新々刀の「山浦清麿(源清麿)」、明治の帝室技芸員となった「月山貞一」までの25振を展示する。
「古刀期と異なり、新刀期である桃山時代以降は、全国的な流通網が整備され刀剣の材料となる鋼の均質化が始まった時代。古刀のように地鉄に地域ごとの特質が見られなくなった分、刀工たちは、装飾の美しさや刃文の華麗さなどでおのおのの技を発揮するようになった」と同館学芸員の山田さん。「刀身の刃の部分だけを特に硬くするために行う『焼き入れ』の方法の違いにより、さまざまな文様(刃文)が表れ、それぞれの流派や刀工、時代によって異なる」という。
同展では、京都・四条河原かいわいのにぎわいを描いた江戸初期の風俗画「四条河原遊楽図屏風」も併せて展示する。「意匠を凝らした刀装具などが緻密に描き込まれ、『ファッションアイテム』として実際にどのように使われていたかがうかがえる」とも。
開館時間は10時~16時30分(入場は16時まで)。月曜休館(祝日の場合は開館、翌火曜休館)。入場料は、一般=800円、高校生・大学生=500円、中学生以下無料。同館学芸員による列品解説も行う(2月23日、3月15日は14時~)。3月25日まで。