世田谷区上用賀の「公立学校共済組合関東中央病院」(上用賀6、TEL 03-3429-1171)は9月28日、東京都から「地域医療支援病院」に承認された。世田谷区内での同承認は初めて。
同院は1953年(昭和28年)に開業した「世田谷三楽病院」を前身とし、現在は敷地面積約1万坪の敷地内に27診療科の外来棟、470床の病棟を有する。外来患者数は約26万6000人、入院患者数約12万7000人で病床利用率は73.8パーセント、病床回転率は25.3パーセント(2010年度・延べ)。
「地域医療支援病院」とは、地域の効率的な医療提供体制の構築を目的とし、「紹介患者への医療提供や医療機器の共同利用などにより、地域のかかりつけ医を支援する能力を備えた病院」として、各医療機関の申請を受け医療法第4条に基づき各都道府県知事が承認する。承認には「紹介率」「逆紹介率」「病床数」「救急医療の提供体制」などの条件が必要で、現在都内では21病院が承認を受けている。
同院の地域連携担当の井上由美子副院長は「在宅看護・介護など高齢化社会における医療の使命を果たすために申請した」と同承認までの経緯を話す。同院の「地域保健医療室」は、社会福祉士、看護師など現在約10人のスタッフ体制で、患者とその家族が病気と治療を理解した上で医療への意思表示をすることをサポートし、そのための連絡・調整を行う。「できる限り地域の中で治療が完結するように、当院が中核となって医療のネットワークをつなぐ。どなたでも遠慮なく窓口へご相談ください」と井上さん。
今年4月1日から全敷地内での完全禁煙を実施する同院。これに伴い7月1日より、内科に「禁煙外来」を設け、禁煙を目指す人の支援も開始している。8週から12週にわたり計5回の保険治療を行う。
各科の診察受付時間や相談窓口の詳細については同院ホームページで確認できる。