成城学園前駅北口に広がる商店街の桜並木沿道(世田谷区成城)で4月6日・7日に「さくらフェスティバル」が開催される。
当日は、成城商店街組合振興会加盟店39店舗によるワゴンセールが桜並木の沿道500メートルにわたって並び、成城大学の茶道部による野だてのほか、桜湯、甘酒、綿あめなどが無料で来場者に振る舞われる。桜の苗木販売も予定されている。
成城6丁目から7丁目に続く桜並木には、現在300本ほどのソメイヨシノとオオシマザクラが植えられ、春になると街を桜色で埋め尽くす。2005年には「せたがや百景」、2008年には6丁目のイチョウ並木と合わせて世田谷区の地域風景資産に選出されたこの桜並木。ほとんどが大正末期に植樹された樹齢60年以上の大木で、その歴史は成城のまちづくりに由来する。
1923(大正12)年に起こった関東大震災の後、多くの教育機関が都心から郊外へ移転した。当時雑木林だった北多摩群砧村喜多見のこの地には、翌1924(大正13)年に牛込区原町(現在の新宿区)から成城学園が移転。学園の建設と並行してまちづくりが開始された。1927(昭和2)年には小田急線も開通し、駅は「成城学園前」と命名。駅から真っすぐ北に伸びる道路には、学園関係者と住民によって桜が植樹された。これが現在の桜並木の元になっている。
現在では区の管理の下、定期的に育成と手入れが行われ、毎年周辺の小学校の6年生が順番に清掃奉仕活動に参加するなど、街全体で桜並木の保全に努めている。1985(昭和60)年に始まった「さくらフェスティバル」は、桜並木を鑑賞する場を提供する目的のほか、地元の商店街や自治会、団体と近隣住民と交流の場としても大切な役割を果たしてきた。「今年は開花が早く、当日満開の桜を鑑賞していただくことはできないが、例年通りイベントを開催している。ぜひ足を運んで、桜の下で人と人との触れ合いを楽しんでほしい」と商店街振興協会理事長の笹本昭一さんは話す。
開催時間は両日共に10時~16時。