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上野毛・中華料理店店主がレシピ本-「お隣」多摩美大卒業生の出版レーベルで

MESS代表の宮崎希沙さん

MESS代表の宮崎希沙さん

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 多摩美術大学上野毛キャンパス隣の四川料理店「吉華」(世田谷区上野毛3)店主の久田大吉さんによる家庭向けレシピ本が、同大卒業生が卒業制作で立ち上げた出版レーベル「MESS」から発売された。

MESS商品ラインアップ

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 同レーベルは、2012年に同大造形表現学部テザイン学科を卒業した宮崎希沙さんが「デジタルコミュニケーションコース」の卒業制作作品として立ち上げた自費出版レーベル。宮崎さんが「良質な作品を生み出す作家たちのさまざまでいろいろな形の『自己表現』の手伝いをしたい」と、同大で共に学ぶ仲間たちの作品を中心に扱い始めた。立ち上げのきっかけは卒業制作だが「どうせなら卒業後も存続できるものをと考えた」という。

 商品ラインアップはエッセー、小説、コレクションブックなど現在10点をそろえる。形態はCDやポストカードなど書籍にこだわらない。「作家たちとワイワイ実験のように試作する過程が楽しい」と宮崎さん。デザインや編集などの制作までを請け負い、同レーベルのサイトでも注文を受けて販売する。

 4月に発売した最新刊「眠れない料理人 久田大吉の家庭の中華料理」(A5判132ページ、1,575円)は、テレビ番組にも出演する著名な料理人である久田大吉さんが、家庭で作れる中華料理全80品をレシピ化したもの。久田さんが1985(昭和60)年に創業した同店でアルバイトをする同大生を通じて出版の運びとなった。久田さんの「食べるために生きる」という座右の銘やユニークな人生の流儀を反映させ、各ページに「つぶやき」や元アルバイトスタッフで現在フリーランスライターである同大卒業生の島村和秀さんのコラムなどの読み物も収録。製本は「コデックス装」で、水平にページを開いて料理をしながら読みやすいよう「こだわりのある」作り。

 「既存の大量販売経路に乗せられなくても、評価されるのを待つのではなく作家側から発信するためのサポートをしていけるようなレーベルでありたい」と話す宮崎さん。今後の展開については「コンテンツに合わせて、良いと思うもの・面白いと思うものを形も領域も分野もこだわらずボーダーレスに形にして続けて行きたい」とも。

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