学校法人成城学園(世田谷区成城 6)と小田急電鉄(新宿区)は5月27日、相互が持つ人的資源と知的資産や地域資産を活用した教育・研究および社会貢献活動に向けて「連携・協力に関する基本協定」を締結した。連携協定の締結は1927(昭和2)年の駅開通以来初。
成城学園は1917(大正6)年、文部次官などを歴任した澤柳政太郎が「成城小学校」として旧・東京市牛込区(現・新宿区)で創立した後、現在の地(旧・東京府下北多摩郡砧村)へ1925(大正14)年に移転した。同校が用地を購入・分譲することで学園街としての建設が進み、1927(昭和2)年4月、小田急線が開通し「成城学園」を冠した同駅が誕生。一帯が「東京市」に併合された1936(昭和11)年以降、地名も「世田谷区成城町」に変更された。
約13万平方メートルの敷地内に幼稚園から4学部11科の大学と大学院までをワンキャンパスに擁する同学園では現在約8000人が学んでおり、職員数などを含めると9000を超える人々が同地に集まる。同学園はこれまでにも、小田急電鉄をはじめ地元商店街などと学部やクラス単位でさまざまな地域連携活動を行っていたが、学園全体として「連携協定」を締結するのは今回が初。一方の小田急電鉄は、社会貢献活動(CSR)の一環として沿線教育機関との産学連携を推進しており、協定締結は今回で3校目となる。
協定に基づく具体的な取り組みとして、成城大学で教育科目「小田急沿線における新たな集客エリアの創造に資する新規ビジネスの企画・提案」(経済学部2~4年生対象)、「小田急沿線におけるニューツーリズム商品の企画・提案」(全学部1~2年生対象)の開設を挙げ、授業内での課外活動やゲスト出演、企業提案のプレゼンテーションと提案への講評における連携協力を行うとしている。今後は「同学園の他教育施設との連携協力も企画していく予定」(同学園企画広報課)。