世田谷・用賀商店街振興組合(世田谷区用賀4)と福井県は12月14日、地域特産品のセレクトショップ「よーがや」内での同県産品販売の契約を結び、締結式に同県と同商店街のマスコットキャラクターが登場し会場を沸かせた。
契約書を手渡す「よっきー」と受け取る「ふっくりん」(14日)
昨年11月に開店した同店は、同商店街振興組合が100%出資する「用賀まちづくり会社」(用賀4)が運営する。現在、北海道根室市、岩手県陸前高田市、山形県米沢市など、全国7市町村と提携し野菜、果物、海産物、加工品などを販売している。同商店街振興組合の小林弘忠理事長は同店について、「物産品の販売とPR活動を通じて、最終的には街と街、住民と住民が交流を図る『文化の交流・発信基地』を目指す」と話す。
都道府県との契約は同県が初。同県は店舗の一角を借り受け旬の県産品を販売する。商品は原価に納入事業者の利益と送料を加算したうえで同店が買い取る仕組み。同県農林水産部の新田直人さんは「福井県はこれまで、関西地方へのPRが中心で東京へのアピールが不足していた。高級住宅地が多い地域である用賀の街を足掛かりに地域住民、近隣の教育機関と連携した都市農村交流活動を展開していきたい」と期待を寄せる。
同県は「自慢の」冬の味覚をアピールしようと、来年3月末ごろまでは「越前ガニ」や甘エビなどの海産物や「コシヒカリ」やそば、加工品をメーンに売り出しながら、さまざまなイベントを展開する予定。「再来年春に開通する北陸新幹線により、より近くなった北陸・金沢からもう一歩足を伸ばして福井までお越しいただけるように」(新田さん)と観光誘致も見据える。
締結式には、2009年春に福井県で開催された全国植樹祭のマスコットキャラクター「ふっくりん」が来場。今年の「ゆるキャラグランプリ」で92位にランクインした同商店街の広報部長「よっきー」と抱擁を交わし、契約書を交換する場面も注目を集めた。