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世田谷美術館で「東宝スタジオ展」-「ゴジラ」から「進撃の巨人」80年の軌跡

同館入り口に設置された映画「ゴジラ」のセット(c)TOHO CO., LTD. 

同館入り口に設置された映画「ゴジラ」のセット(c)TOHO CO., LTD. 

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 世田谷美術館(世田谷区砧公園1、TEL 03-5777-8600)で2月21日、企画展「東宝スタジオ展 映画=創造の現場」が始まる。

展覧会の様子(背景画コーナー、 製作=背景師・島倉二千六)

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 同スタジオは1932(昭和7)年、世田谷区砧に設立された「写真化学研究所」(通称P・C・L)を前身とする。同展では、その「映画創造の現場」に焦点を当て、1954(同29)年に公開された代表作2本「ゴジラ」「七人の侍」に注目しながら、特殊撮影や東京の時代劇を生みだした映画美術の魅力について探る。併せて、「日本映画の一大拠点」を目指し2004年からスタートした「スタジオ改造計画」と、今年8月に公開予定の「進撃の巨人」などの最新作に至るまでの軌跡を紹介する。

 同展は「第1章 東宝スタジオ/映画の歩み」「第2章 東宝映画の黄金時代」「第3章 東宝砧撮影所1947~1970年」「第4章 東宝スタジオ 1971年~現在」で構成する。「日本のハリウッド」ともいわれ、最盛期には数多くの撮影所や映画制作プロダクションが集まり、多くの監督や俳優が居住した砧・祖師谷・成城周辺。その「趣」とともに、日本映画の歴史的な展開をさまざまな資料の展示からたどる。美術や衣装デザイナー、作曲家の作品なども展示する。

20日16時から開かれたレセプションには、東宝の島谷龍成社長、保坂展人世田谷区長、恩地日出夫監督、俳優の宝田明さんらが登壇。東宝の砧撮影所(スタジオ)の思い出やゴジラにまつわるエピソードを話し、満員の会場を沸かせた。また、同レセプションで酒井忠康館長は同展について「美術館を映画館にするのではなく、あくまでも映画産業を展覧会という形式でいかに構成・展示できるかというかなり野心的な冒険心を持って企画した」と明かした。

 同展の特色は豊富な「関連企画」にもある。立命館大学の冨田美香教授による記念講演会「史料からみる砧撮影所-音画芸術の殿堂-」(2月28日)のほか、「映画講座-創造の現場を語る」(特撮美術編=3月7日、映画監督=3月8日、映画美術=3月14日)、成城周辺のロケ地を訪ねる街歩き「成城映画散歩」(4月12日・16日)(以上、参加無料)、100円ワークショップ「特撮!謎の巨大生物出現」(毎週土曜、3月28日を除く)を開く。

 開館時間は10時~18時(入場は30分前まで)。月曜休館。入場料は、一般=1,000円、65歳以上=800円、高校生・大学生=800円、小中学生=500円。4月19日まで。

 同展に先立ち現在、同館2階展示室では「世田谷に住んだ東宝スタジオゆかりの作家たち」を開催している。同館が収蔵する作品の中から、宮本三郎が描いた東宝ゆかりの女優の肖像画、日本映画を代表する女優の一人で東宝作品の映画にも数多く出演した高峰秀子さんから寄贈を受けた自身の肖像画コレクション11点、1944(昭和19)年~1951(同26)年まで東宝の職員だった難波田龍起の作品「ギリシヤへの魅惑」などを展示。「映画という創造の現場に関わったさまざまな美術家の表現」を紹介する。観覧料は一般=200円、高校・大学生=150円、65歳以上、小学・中学生=100円(企画展チケットで観覧可)。4月12日まで。

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