五島美術館(世田谷区上野毛3、TEL 03-5777-8600)は現在、「館蔵 秋の優品展―宗教と美術展」を開催している。
同館と大東急記念文庫の収蔵品の中から、奈良・平安時代の装飾経を中心とした「古写経」、中国南宋・元時代と日本の鎌倉・室町時代の「墨跡」(禅宗僧侶の筆跡)、南宋時代と室町時代の画僧による「水墨画」など、国宝3点(「無準師範墨跡 『山門疏』(勧縁疏)」、「古林清茂墨跡 餞別偈」など)を含む名品約50点を選び展示(会期中一部展示替あり)する同展。宗教と密接な関係のある書や絵画の世界を展観する。桃山・江戸時代の焼き物(美濃焼を中心とした茶陶)の名品約20点も同時展示し、国宝「紫式部日記絵巻」の特別展示も(10月10日~10月18日)。
同館を創設した五島慶太翁が古写経に造詣が深く数多く収集してきたことから、宗教に関する話題が多い昨今に「宗教」をテーマに企画したという。「お経の本文だけでなく、表紙裏の見返(みかえし)絵や書き手の字のぬくもりなどを美術としても楽しんでいただけるのでは」と同館学芸員の砂澤祐子さん。
期間中の「ギャラリートーク」は「写経の紙」(9月10日、10月1日)、「日本陶磁について」(9月18日)、「宗教と美術」(9月29日)、「表具の裂地」(10月7日)、「紫式部日記絵巻について」(10月15日、10月18日)。開催時間は各日14時~15時ごろ(開場・受け付けは13時30分~)。当日入館者聴講無料、椅子席100人(先着順)。「こども美術講座」は「お経の紙いろいろ」(9月20日)、「王朝絵巻の世界」(10月12日)。開催時間は各日14時~15時ごろ(開場・受け付けは13時30分~)。対象は小中学生、聴講無料、椅子席15人(先着順)。
開館時間は10時~17時(入館受け付けは30分前まで)。月曜休館(9月21日、10月12日は開館し翌日休館)。入館料は、一般=1,000円、高・大学生=700円、中学生以下無料。10月18日まで。