今年で28回目を迎えた地域伝統行事「どんど焼き」が1月15日、多摩川河川敷の二子玉川緑地運動場(世田谷区鎌田1)で行われた。
「どんど焼き」は、地方によって「左義長(さぎちょう)」や「さいの神まつり」「あわんとり」などとも呼ばれ、正月のしめ飾りや門松、書き初めなどの縁起物や神物を持ち寄って燃やし、新年の厄払いを祈る日本の伝統行事。二子玉川地域では、正月のしめ飾りなどがゴミ集積所へ捨てられていたことを「見るに忍びない」と地域の人々が感じたことが開催のきっかけとなった。多摩川河川敷で1989年より毎年、竹の櫓(やぐら)の組み立てから「お焚(た)き上げ」までを同区鎌田1~2丁目、3丁目(一部)と宇奈根1丁目(同)の住民らで構成される自治会「鎌田南睦(みなみむつみ)会」が行っている。
当日は天候にも恵まれ、晴天の中で行われた。10時ごろには見学者が集まり始め、昨年は2000人の人出だったが「今年は2300人ほど」と同会関係者は話す。
点火前の式典には、地域関係者のほか同区議員らと保坂展人区長の姿も見られた。同会の脇克仁会長は「町会理事や協力者の方、友人など、いろいろな方に助けられ、今年は15メートルもの立派な櫓を組むことができた」と話し、「皆さまの今年のご繁栄をお祈りして、事故のないよう素晴らしいお焚き上げをしていきたい」と話した。
11時ごろに点火すると、地元の消防団員らが見守る中、火が真っすぐ上方に勢いよく立ち上った。40分ほどして櫓が燃え落ちたころから、甘酒と餅、お神酒が無料で振る舞われ、配られる餅を求めて会場をぐるりと取り囲むように待ち列ができていた。
火は13時ごろには完全に消され、ショベルカーを使って穴に埋め立て整地が完了したのを見届けた後、同会メンバーらは「鎌田南睦会会館」に集合し、無事の開催をねぎらった。