世田谷区が3月15日から、JRA馬事公苑前けやき広場をはじめとする区有地6カ所でキッチンカーによる移動販売事業を始めた。
新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けた区内事業者への支援と、新しい生活様式への対応に向けた区民の利便性向上につなげることを目的に、世田谷区では昨年10月、区有地へのキッチンカー出店スペース創出に向けた実証実験を行った。期間中の売り上げ、今後の利用意向、出店意向がいずれも高く、一定の需要を見込めることが確認できたため、3月から定期出店することになった。
実証実験でも連携したモビリティビジネス・プラットホーム事業を展開する「Mellow(メロウ)」(千代田区)と2月に「キッチンカー等移動販売車を活用した取り組みに関する協定」を締結し、経営多角化や業態転換に取り組む区内事業者への支援と共に、区民の利便性・区有地の魅力向上、災害時における支援などについて連携していく。今後は、区内事業者向けのキッチンカー開業に関するセミナーの開催なども予定しているという。
出店場所は、「JRA馬事公苑前けやき広場」(上用賀2)をはじめ、「上用賀五丁目アパート」(上用賀5)、「喜多見まちづくりセンター」(喜多見5)、「希望丘公園」(船橋7)、「代沢せせらぎ公園」(代沢4)、区役所本庁舎(世田谷4)の6カ所。約30店が週替わりで出店し、和食、ハンバーガー、エスニック料理などの弁当や、鮮魚などの販売も行う。
区経済産業部産業連携交流推進課の佐藤智和さんは「区内事業者への支援と共に、区民の買い物の利便性向上や、新たな交流の場になればと考えている。気軽に利用いただければ。区内事業者がキッチンカーや移動販売に参入しやすくなる環境を整えていきたい。コロナ禍で外出がままならない生活の中でも、キッチンカーや移動販売車の場所ににぎわいが生まれ、少しでも日常を楽しく過ごしていただける場所になれば」と話す。
出店期間や時間は場所によって異なる。