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砧の社会福祉施設で「復興卵」好調-石巻の養鶏場「金華卵」完売続く

金華卵を持つ浅野施設長と卵担当の西野さん

金華卵を持つ浅野施設長と卵担当の西野さん

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 世田谷区砧の社会福祉施設「砧工房」(世田谷区砧4、TEL 03-3417-4604)で復興支援のために販売している石巻の養鶏場の卵「金華卵」が、販売開始から1年3カ月過ぎた現在も好調だ。

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 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた石巻市。同養鶏場を運営するのは、同市内の社会福祉施設「石巻祥心会アトリエみなと」。養鶏場は高台にあり難を逃れたが、施設の建物も大きな被害を受けたほか、それまで卵を納めていた洋菓子店などが壊滅し、卸先がなくなった。それを知った砧工房の当時の施設長中野さんが、同工房で販売することを決意。1週間に1度、30パックを宅配便で送ってもらい販売し続けている。

 金華卵は無農薬発酵飼料で育ち運動量豊富な養鶏から生まれた卵で、天然ミネラルや DHA、ヒタミンEを多く含み、「箸でつかめる」ほど弾力のある黄身と濃厚な白身でコクが特徴。リピーターが多く、販売開始から1年3カ月を過ぎた現在でも、ほぼ完売の状態が続いている。

 卵担当の西野さんは「早い日は当日に完売してしまうので、可能であれば前の週に電話で予約をしていただけると確実。小売りだけでなく、地元の製菓店など大口での取引も可能なのでぜひお問い合わせを」と話す。

 震災から1年余り。石巻では徐々に住居としてプレハブなどができつつあるが、卸先の洋菓子店など商業施設の再建はまだ進まず、「金華卵」のまとまった販売先としては今なお砧工房だけだという。今年4月に赴任した同工房施設長浅野日奈子さんは「復興支援策として始まった卵の販売がこの地域で受け入れられ、卵屋さんのようになっている。震災のときは何が困っているのかも分からずとにかく聞いて回るところからスタートしたが、日頃から交流しておくことで、いざというときに支え合いやすいと思う。今後は施設同士で姉妹提携をするなどの体制を社会福祉施設同士で作っていけたら」と抱負を話す。

 金華卵は10個パック入りで550円。毎週月曜に石巻から届く。施設開放時間は9時~17時15分。土曜・日曜定休。お盆は8月13~15日休み。

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