開園に向け整備中の「(仮称)世田谷区立二子玉川公園」(世田谷区上野毛2丁目28番から玉川1丁目16)で現在、来年4月の西側半分部分の開園を目指し第1期整備工事が進んでいる。
2010年6月に基本計画が策定され、「主に徒歩圏域に居住する人の利用に供する」ことを目的とした「地区公園」である同公園。面積は約6.3ヘクタールで上野毛自然公園(上野毛2)の約7倍、都立砧公園の約6分の1の広さ。周囲約1.1キロメートルで大人が歩くと15分ほど。北側には道路を挟んで旧都立玉川高校(現東京都公文書館)があり、南側は多摩川の河川敷につながる場所に位置する。
来年4月に開園を予定する西側部分は、広さ約3.3ヘクタール。3階建てのビジターセンター、イベント用ステージを備えた芝生広場、砂場や複合遊具などが設置される遊び場、里山、富士見台、住民花壇、日本庭園などを整備する。同期工事費用は約8億8,400万円(ビジターセンター建設費を除く)。
日本庭園内には、基本計画策定時には予定になかった「旧清水邸書院」が建設される。同建物は明治末期に建設会社「清水組」(現・清水建設)副社長宅の離れとして台東区内に建てられた後、1919(大正8)年に瀬田4丁目へ移築され、1979(昭和54)年に解体された際に同区が部材の寄贈を受けて保管していたもの。高度な復元技術が必要なため、同社が社会貢献の一環として工事費用も含め協力する。
「住民参加」を掲げる同公園は、公園づくりだけでなくその後の管理・運営も行政らと共に担う「公園サポーター」制度を採用。「子ども」「みどり」「安全安心」の各グループに分かれ活動しており、メンバーは随時募集中。
9月9日には同区の区制80周年を記念し「世田谷いのちの森づくり植樹祭」を開催する。同公園東側半分にあたる第2期工事予定地内南側の一区画にシイやカシなどの郷土樹種の苗木約1000本を植えるもので、現在参加者を募集している。同イベントは毎日新聞社の「いのちの森づくりリレー植樹」事業の一環でもあり、宮脇昭横浜国立大学名誉教授の指導の下で進められる。植え付け後は参加者全員で「ふるさと」を合唱するという。
植樹祭の開催時間は9時30分~12時。小雨決行。台風などの場合は翌週に順延。定員300人(多数の場合は抽選)。要事前申し込み。申し込み締め切りは8月26日。問い合わせは同区みどり政策課、申し込みは「せたがやコール」(TEL 03-5432-3333)まで。