6月11日から23日の宮城県女川町の災害廃棄物受け入れ期間中に排ガス中から微量のアスベストを検出した「世田谷清掃工場」(世田谷区大蔵1)が8月27日、同工場で2回目となる焼却処理を開始した。
同清掃工場で検出されたアスベスト値は排ガス1リットルあたり0.64本(1号炉・6月18日)と0.13本(2号炉・同20日)。この値に対し、同清掃工場を管理運営する東京二十三区清掃一部事務組合は7月19日、「アスベストを取り扱う施設の敷地境界における基準値は1リットルあたり10本で、今回の測定結果はこれと比較して十分に小さい値であり、排ガスは煙突から排出されたのち10万倍以上に拡散されることから周辺環境への影響はない」との見解を発表した。
その後7月23日、同組合は現地女川町処理施設などにおいて「アスベスト含有の可能性のある物を手選別ラインにおいて選別し、その後敷地内のプレコンバックへ正しく保管」されていることを確認したという。また同30日、東京都環境局が同処理施設内でアスベストの粉じん濃度の測定を行ったところ、「全て不検出」だった。以上の状況から、同組合は今回のアスベスト検出が災害廃棄物に原因を求めることは難しいとの判断で、世田谷を含む他清掃工場での同処理の続行を決めた。
同組合は今後の対応として、排ガス中のアスベスト測定を含む環境測定を定期的に実施する。同清掃工場ではアスベストの災害廃棄物との関連を調査するため、受け入れ期間外の7月18日(1号炉)、8月2日(2号炉)にも測定を行った。同結果の公表は9月初旬。
保坂世田谷区長は同組合によるこれらの状況と対応の説明を受けて、同町災害廃棄物の受け入れ処理の安全性に同意し、引き続き注視しながら復興支援を続ける、との判断を示した。
今回の受け入れ期間は8月27日~9月1日の6日間。日量4トンで総量24トンの処理を計画している。同期間中の放射能測定結果は約1カ月後に同組合のホームページで公表する。アスベスト測定は、同期間中は行わず、3回目の受け入れ期間中の9月25日・26日に実施する。同結果の公表は10月末ごろを予定。