玉川高島屋本館近くの国道246号線沿い3階建てのビルに、オンワード樫山(中央区京橋1)が手掛ける「きものスタジオ紋(もん)」(世田谷区玉川4、 TEL 0120-941-080)がオープンして1カ月がたった。
9月15日に開店した同店は、全国の伝統着物産地の新作着物などを取りそろえ、販売、レンタル、撮影、着付け、ヘアメーク、保管、メンテナンスまでをトータルに提案する業界初の「ワンストップショップ」。
売り場面積は1階、2階を合わせて約120坪。「京都の町屋をイメージした」という1階入り口のドアには書道家紫舟さんが書いた店名「紋」の文字を掲げる。「家の独自性を示す固有の紋章として生まれた家紋を由来とし、家族の絆や先祖への感謝の意味を込めこの店名を選んだ」(小林弘寿同館長)という。
1階は振り袖、留袖、訪問着に帯、半襟、草履、和装バッグ、髪飾りなど主に女性用の商品販売を中心とした「きものギャラリー」。2階では七五三や成人式、ブライダル用の和装と洋装両商品の販売とレンタルに対応、幅6メートル・奥行き8メートルの大型「フォトスタジオ」と2つの専用着付け室、3つのヘアメークコーナーを備える。
一般的に「着物市場では各種サービスを個別に展開しているケースが多く、お客さまにとっての利便性の向上が課題だった」と話す小林館長。総合アパレルメーカーとして1942(昭和37)年から和装の取り扱いを開始した同社。「着物文化を未来に継承していくために当館が新しいランドマークとなる」と意気込みを見せる。具体的には国内の産地や製造元の協力を得て、伝統技法を用いた京や加賀、十日町の友禅着物、老舗機屋の帯などを同ギャラリーにそろえ「本物」を紹介していく。ほかに試着姿をデジタル画像で確認できるシミュレーションシステムの導入。自分で着られるようになる「着方教室」や企画展の開催も視野に入れる。
「タマリバー」という名のビルに出店した同店。小林同館長は「まさに着物を愛する人々の『たまり場』となりたい。着物に精通した当館の『コンシェルジュ』へどんなことでも気軽に相談しに来ていただければ」と話している。
営業時間は10時~20時。詳細は同店へ。